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4.


「なーんてな、びっくりしたか?」

「コ…、コウさぁああん!!もうやめてくださいよ!心臓が止まりそうなほど怖くて…!」

あんな殺気を出しておいてよく言う。

だが、取り繕ったことは認める。

「レプリカだよ。格好いいだろ」

ほら、と部屋の壁に飾られている銃を見せる。タイプの違う四丁の銃の見て、榊の表情はほんの僅かだけ、本当に注意して見なければ分からないほどだが、険しくなった。

(…思いの外、よく見てるな)

持っていた銃も壁に戻し、部屋の奥あたりにあるデスクに向かい合ったふかふかの椅子に座り、パソコンを立ちあげる。

「じゃあ、適当に頼む。…あ、それと、レプリカの銃は俺が手入れするから触るな」

「はい」

これは掃除ではなく、観察眼テストだ。

あの銃以外、何でも好きに触って構わない。この条件で重要な鍵を探し出せるか。

何か違法行為に繋がるような情報を必死に探しているようだが、そんなものはどこにもない。代わりに仕掛けを二つ施しておいた。

一つ、先程の銃だ。

レプリカとは言ったが、実は五丁のうち下から二番目のものだけは本物の銃である。

観賞用のレプリカは巧妙に作られているものの、実用と観賞用では金属の反射や塗料に微妙な違いが生ずる。触らずに目だけで見て、それに気付けるか。

手に取れば、重さでバレてしまうから触らせない。まぁ、実戦で相手の持つ銃がただのハッタリか、それとも本当に殺傷力を持っているのか、目で見て瞬時に判断する必要がある。

(これにはすぐに気付いたか)

険しい眼差しは、本物の銃に向けられていた。

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騙し合うこのゲームは、
本気で惚れた方が負けなのだ。