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6.


「あの…、コウさん、…その、たくさん迷惑、かけてしまって…!」

辻が頭を下げる。

「ごめんなさいッス…」

立花も頭を下げた。

迷惑をかけられた覚えはない。むしろ優秀な後輩達の成長を見られて嬉しかった。笑い混じりの溜め息を吐けば、何を勘違いしたのか二人の肩がピクリと揺れて頭がさらに下がった。

本当に怒るつもりなんてないんだ。だから、両手を二人の頭の上に置いて、撫でた。

「迷惑をかけられた覚えなんてない。…それに、お前達三人は期待以上に健闘したから、先輩としても鼻が高い。よくやった」

ゆっくりと頭が上げられる。本当か、と聞きたそうにしているくせに、二人の目は嬉しそうだ。

そこで蓮が手渡してくる物を握る。綺麗なお花が飛び出る宴会仕様の銃だ。もともとバラやらたんぽぽやらが入っていたが、雰囲気のために急いで他の花を桜吹雪に変えたものだ。

それを蓮と尋斗と三人で一丁ずつ。同時に辻と立花に銃口を向けた。特に俺が握る元本物だった銃の銃口を向けられた途端、辻の顔が僅かに強張ったのが見えた。楽しい。きっと、今の俺はとてもいい笑顔をしているんだと思う。

ちゃっかり眉間に合わせてみる。

状況が飲み込めなくてあたふたしながら、必死に俺達をとめようとする二人が可愛い。

「せ、先輩方!?」

「な、何するんスか!?」

せーの、でトリガーを引いた。

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騙し合うこのゲームは、
本気で惚れた方が負けなのだ。