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「#エロ」のBL小説を読む
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4.


因みに、さらに詳しい分析や報告書で忙殺されていた午前四時頃、二階の窓から何か投げ入れられた。綺麗な放物線を描いたそれは見事に俺の後頭部に当たり、痛っ、と言うと、ごめんなさい、と外の一階から大声で謝られた。

それは辻の声だった。

(近所迷惑考えろ。ったく)

投げ入れられたのは封筒だった。

中には原稿用紙に書かれた反省文があり、主に見損なったという発言への謝罪が書かれていた。辻の真面目さと律儀さに笑ってしまった。

結局、寝ずにその日の午後まで書類を仕上げていたから、終わってすぐに寝てしまった。夜は辻も立花も仕事に出ていたが、仮眠室で気持ち良く熟睡していた俺は会っていない。

…起きて部屋を出ると、部屋の前にお供えのようにカゴに入った果物と封が開けられていないエロ本があった。賄賂のつもりなんだろうか。

成績はもう本部に送ったが。

とりあえず、俺と辻が好きな女優さんは同じ人だから大人な本は黙って貰っておくとして、果物は合否発表の時に皆で食べよう。

あれから清宮からの連絡がない。…いや、もともと頻繁に連絡しあうような関係じゃなかったが、この設定が嘘だと知ったはずなのに少しも反応がなくて、無性に寂しかった。

そして、気になることが一つあった。

それは清宮が関係していて、聞けないまま、聞く機会も与えられないまま、ついに合否発表の日を迎えてしまった。

本部から送られてきた三人分の合格証明書と、TCCE合格者を表すプラチナのメダル。速達で送られてきたそれらを抱えて、蓮と尋斗と二階の部屋で三人を待っていた。

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騙し合うこのゲームは、
本気で惚れた方が負けなのだ。