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7.


建国から三ヶ月。全ては順調だ。

それぞれの役割分担も決めた。イチルが内政と外交。俺は主に教育で、たまにイチルの補助もする。イチルも知識は豊富だが、俺が育ったあの世界のシステムも参考にしたいらしい。

ホーリエとオーツェルドは警備。現在はホーリエが城の守護魔法を担当し、オーツェルドが城下の巡回を担当している。が、平和な現在、巡回という名のデートと化している。

まぁ、今後は騎士団と王宮魔術師団の育成を任せるから、今くらいは休んでほしい。

マーメイドには福利施設と病院を設立を頼んでいる。だが、今は設備などの不足により、設立はもう少し後になりそうだ。

現在、怪我をした者は湖を訪れることになっており、マーメイドと水の乙女とも呼ばれる水属性のAクラス聖獣、ウンディーネ達が治療している。治癒魔法は怪我にしか効果がないが、病気に対しての治療法も研究したいらしい。

で、俺達に初めての外交の仕事が来た。

セットレイア王国との国交調印式。初めて国交を結ぶ国であり、大陸きっての大国。

手紙をくれたのはカルナダ様で、戴冠式の翌日に調印式、そして一日空いて結婚式。つまり、俺達と国交を結ぶ国王は若き新王で、戴冠式と結婚式にも出席させてもらえるらしい。

だから、俺達はこの城に戻ってきたのだ。

因みに、この知らせを受けた時、ホーリエが興奮した。で、俺達の城下で腕のいい仕立て屋を集めて俺とイチルの衣装を作らせた。もう布地と糸を選ぶところから本気すぎていた。

これはホーリエなりの思いだった。

第二王子が王城で冷遇されていたのは有名な話だった。根が真っ直ぐなホーリエはそれが気に入らず、せっかくの機会もあって見返してやりたいそうだ。これには俺も賛同している。

今日は俺もイチルも新しい衣装だ。

イチルの場合、よく似合っている。鮮やかな金髪。妖しい色っぽさと吸い込まれるような魅力のある紅の瞳。落ち着いた蒼の瞳と違って、紅の瞳は意志の強さと熱情を際立たせた。

そんな華やかな顔立ちでは派手な衣装でも文句なく似合う。むしろ、白馬に乗れば、老若男女手当り次第に虜にしていった。

殴りたいほどむかつく。

それに対して俺は渡された衣装が恥ずかしすぎて、まだ小鳥のままだったりする。もう人形にならずに小鳥でやりすごせないだろうか。

イチルのポケットに引きこもったまま、思わず遠くを眺めて意識が飛んでしまった。

空って青いな。

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王には世界を守る義務がある。
そして、俺にとっての世界は君である。