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5.


短い三ヶ月で経済体制は回り始めた。

建設途中の建物が目立ち、人手もまだまだ不足しているが、町として、そして、国として着実に軌道に乗ってきているのを感じた。

因みに、魔術学校の校長はこれまた満場一致で俺となった。ある程度準備が整い次第、教職員の募集をかけようと思っているが、既にフライング応募が何件かあって驚いている。

だが、実際問題、開校よりも国としてのシステムを整えるのが必要となる。

騎士団と王宮魔術師団の設立。言わずもがな、それぞれの団長はオーツェルドとホーリエだった。これまた入団希望が諸国より殺到し、二人は頭を抱えた後に申請書で焚き火をした。

で、前代未聞の入団試験が行われた。

戦って勝ったら入団を認める。

勿論、誰もが怖じ気付くわけで、申請書とは裏腹に挑戦者ゼロ。よって、団員ゼロ。

無茶ぶりすぎる入団試験についに申請書は途絶え、二人は旅行に行く予定まで立ててしまった。国のシステムを整えるのに死にかけている俺とイチルは恨みに恨んで、妬んだ。

だが、そんな日々にも癒しがあった。

旅で会った人達が訪ねてきてくれたのだ。

まず、シルフ。

聖剣を解決したことと建国のお祝いの言葉をもらった。彼女は本当に嬉しそうで、リィシャとヨトも元気で、ラニアの町の人達とも上手くやっていると教えてくれた。来年は豊作だとも。

だが、俺が寿命を削ったことを知ると悲しそうにして、それでもイチルと結ばれたことを話すと悲しさを和らげて祝ってくれた。

シルフには申し訳ないと思っている。

だが、彼女がいれば、次の風の王はきっと不安を抱えることなく王の席に着けるだろう。

次に、ポラリス。

暖かさが見え始め、南から北へと渡ってきたサンダーバードの群れに彼はいた。

少し見ないうちに成長していて、今はもうやんちゃ坊主だ。だが、昔の面影をはっきり残していて可愛い。母鳥がこっそり教えてくれたが、群れの中に片想いしている女の子がいるとか。

俺に甘え、群れが出発する間際にまたごねたポラリスだったが、最後には毎年移動の時に必ず顔を出すと約束して飛び立った。

飛行は安定していて、立派だった。

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王には世界を守る義務がある。
そして、俺にとっての世界は君である。