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2.


召喚の間は、荘厳その一言に尽きた。

寒いと感じるほど広いその場所は、淡い乳白色の大理石の床に何面もの大きなステンドグラスから夜明けの光が差し込む。

特定の魔法陣はないが、目に付くものがある。中央に開けるようにして北に氷の器に張られた水、南に立てられた金色の針、西に火が灯った蝋燭がある。東には何もない。

そして、その間を頭にドラゴンを載せたカルナダ様が行ったり来たりしていた。真面目な表情をしているところ、悪いが、

(うわ、重そう…)

だが、言える雰囲気じゃない。

レイロさんもいて東西南北の間に、つまり、水と蝋燭と針の中間に水晶のようなものを置いていく。東には何も置かれていないが、あると仮定して四つの水晶を置いていた。

四つの水晶を正方形に、東にもあると仮定して四つのアイテムも正方形に。カルナダ様がその位置を微妙に調整して、ステンドグラスを見上げた後、ふとイチルに気がついた。

「おはよう。よく眠れた?」

「おはようございます。…はい。」

イチルは俺を床に置いて、カルナダ様に近付いていく。たぶん、調整や説明があるんだろう。

俺は飛んでペガサスのところへ向かった。俺を見つけたペガサスが下げた頭の上に、ちょこん、と乗ってみる。

『…重いのですが、』

「(小鳥だもん、軽いもん。…おはよう)」

『冗談ですよ。おはようございます』

ペガサスのところに遊びに来たわけじゃない。聞きたいことがあって来たんだ。

ドラゴンに聞いてもよかったが、カルナダ様の頭の中で寛いでいる時に話しかける勇気はない。主に、カルナダ様の反応に緊張してしまう。

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王には世界を守る義務がある。
そして、俺にとっての世界は君である。