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3.


ドラゴンが言うには、こうらしい。

一人一人の魔力量は生まれた瞬間に決まっている。生まれた直後にどの属性が強いかが分かって、成長と共に魔力が少しずつ使えるようになる。

十五歳前後に魔力量を測る儀式があり、そこで出た数字は全体の潜在的な魔力量。だが、高い数値が出たからと言って、誰しもその数値を出し切れるとは限らない。

それはあくまでも潜在魔力量であって、実際に使える量は努力や才能で大きく変わる。

だが、万一、十五歳以前に魔力の気配がなく、測定の結果もゼロだった場合、それ以降魔力が現ることは絶対にない。といってもそれは珍しいらしい。

『僕も長いこと生きてきたけど、これは初めて見るね。普通は少しでもあるんだ…』

でも、とドラゴンは言葉を区切った。

『それは先天的な力。実は、あまり知られていないけど後天的に魔力をつける方法がある』

「(え、何?)」

『加護と呼ばれる特殊なケースさ』

「(それを使えばイチルも魔法が使えるようになるの?それ教えて、知りたい!)」

『加護を得ることは難しいよ』

加護とはその名の通り、聖獣から力をもらうことらしい。聖獣の力の一部を切り分けて与え、その人物が息絶えるまで聖獣の力を自分の力として使い続けることができる。

だが、加護には条件が二つある。一つ、聖獣はSSランク、属性の王であること。二つ、その聖獣が誰とも契約していないこと。

既に誰かと契約している場合、加護は与えられない。そして、加護を与えた人物が生きている間、聖獣は誰とも契約できない。力は人間の死と共に属性の王へと戻る。

「(てことは、…無理か)」

『ごめんね、僕じゃ力になれなくて』

「(んーん、教えてくれてありがとう。カルナダ様には加護を与えたの?)」

『いいや、カルナダは自力でSランクまでの魔法を使うから必要ないよ。…それに、あまり簡単に加護を与えない方がいい』

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王には世界を守る義務がある。
そして、俺にとっての世界は君である。