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4.


「仕方ねぇから貸してやるよ」

ひらひらと手を振りながら鼻で笑われる。

まさかの契約主の登場とまさかの言動についていけずにルイは固まってしまったが、そんな中で小さな影が動き出した。ピィたんだ。

ぷりちーなお尻をふりふり振りながらいろんな物を踏んで窓枠によじ登り、小さな翼を腰に当てる。本人からすれば仁王立ちをやっているつもりかもしれないが、威厳というものが全く見当たらない。

一瞬窓の下を見たピィたんが高さに怯えたような気がしたが、見なかったことにしよう。

そして、思いっきり息を吸って、

『てやんでぇええええいっ!!!!』

今度ばかりは全員がぽかんとした。

黄色い羽を怒ったように吊り上げ、翼をパタパタして威嚇しながらイチルを睨む。

『飯も腹いっぱい食わせてやれねぇ手前に返してたまるかい!ちびは俺が育てる!!』

「え?飯?」

『惚けんなよ!手前が飯を食わせねぇからちびが育たねぇんだろがァあ!!』

「いや、そいつは本来なら結構でけぇ鳥でな」

『知ってんなら育てろよ!』

「そうじゃなくて、」

『問答無用!!』

ピィたんがイチルをきつく睨む。その途端に冷気みたいなものが出てきた。ドライアイスの白い煙のようなものがゆらゆらゆっくりとイチルに向かって流れていく。…ちょっと遅い。

ゆっくりながらもイチルにたどり着いた白い煙にイチルは寒そうに体を震わせたかと思うと、パタ、と躊躇いを見せずに窓を閉めやがった。

で、振り返ったピィたんが決め顔で、

『退治したぜ』

『…それ、俺の契約主なんだけど』

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王には世界を守る義務がある。
そして、俺にとっての世界は君である。