そして、聖獣にもランクがある。
魔法と同じくSS、S、A、B、C、D、Eだ。
Aランク以下の聖獣の数は増えたり減ったりするが、SSとSランクの聖獣は各属性につき一体ずつしかいない。六属性に二体ずつで合計十二体。
だが、SSやSランクにもなる高位の聖獣は滅多に人間の前に現れず、どの属性にどの聖獣がいるから分からないこともある。
今、分かっているのは七体。
炎のSSランク、フェニックス。
雷のSSランク、ドラゴン。
闇のSSランク、ケルベロス。
風のSランク、シルフ。
水のSランク、マーメイド。
雷のSランク、グリフォン。
炎のSランク、サラマンダー。
高位十二体のうち存在がはっきりしているのはこの七体だけで、残り三体のSSランクと二体のSランクはまだ確認されていない。
最上位のSSランクは別名始祖神獣とも呼ばれ、Sランクともまた違う能力を持つ。
そのうちの一つが人の形になれること。普通の人間と全く同じ外見になることは、たとえSランクでも出来ないらしい。
聖獣の言葉はある程度の魔力があれば誰にでも分かるらしく、契約した人間でないと分からないだなんてことにはならない。
契約というのは、聖獣の力を借りる行為だ。
聖獣は契約相手となる人間から一定量の魔力をもらう代わりに戦闘を手伝ってあげたり、何か命令を聞いてあげたりする。
実は聖獣が魔力不足に陥ることはあまりないが、仲良くなった人間を守りたいと思ったり、その人間の魔力が好みだったり、いろいろな契約の理由があるらしい。
契約の相手は人間、聖獣に関わらず一度に一人、あるいは一体だけ。次の契約をするには今の契約を解かなければならない。
回数に関する制限はない。
因みに契約しなくても傍にいたり、聖獣に力を貸してもらうことは可能だが、いざという時に呼び出せなかったりと不便がある。
高位十二体が人間と契約することは歴史的に見ても稀で、現在契約しているのは国内ではたった一人しか確認されていない。
それが軍事大国セットレイア第一王位継承者、カルナダ・セットレイア様。
本当にこの人の実力は計り知れない。
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王には世界を守る義務がある。
そして、俺にとっての世界は君である。