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7.


まずは第一関門クリアだ。

情報屋だと信じさせてしまえば、俺が与える情報の信憑性は濃くなる。だが、伝説クラスの情報まで信じてくれるのかと言えば、まだ足りないんだろう。

「さっき世話がどうのって言ってたけど、俺はあまりついていきたくないんだよ。危険な旅だし、ここで支払ってくれた方が助かるの」

「それは無理だろ。金貨一袋は結構な金だ。あっさり渡して、あんたを逃がして、俺らが行った場所に聖剣がなかった、じゃあ洒落になんねぇ」

「…取り引きに応じるんだったら、聖剣の在処まできちんと案内してもらうよ。いいね?」

やった。かかった。

心の中で思いっきりガッツポーズをして喜びながらも、表情にはそれを出さずに、むしろ嫌そうな苦々しげな顔をしながら重たく溜め息を吐いて見せた。

「…分かったよ。で、応じるの?」

旅に同行して、聖剣まで案内する。聖剣を見付けた時に金貨を支払う。俺の目的は金で、本当は一緒に行きたくないが、報酬のために同行する。彼らからしてみれば、騙される可能性も低い。

辻褄が合わない点はないはずだ。

しばらくの沈黙の後、ホーリエが頷いた。

「この条件なら、応じるよ」

この時、イチルとオーツェルドの意見を求めずにホーリエが単独で頷いたことに疑問を持つべきだったんだ。いや、実際に俺は疑問を持っていたが、もっと深い裏の裏まで考えを巡らせるべきだった。

「じゃあ、商談成立だね」

「そうだね」

ホーリエが、ニヤリと笑った。

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王には世界を守る義務がある。
そして、俺にとっての世界は君である。