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2.


確かに俺なんだ。だが、色が違っていた。

本来は黒い髪を明るく染めていたが、今の髪は銀が混じった白だ。ホーリエの髪と似ているそれは星の光を浴びてとても神々しく見えるが、こんな色に染めた覚えなんてなかった。

茶色い目にもよくカラコンを入れていたが、今は入れていないし、何よりもカラコンでは出せない透き通った緑色をしている。

この色彩に覚えはある。

(…小鳥だった時の色だ)

色は仕方ないとして、人に戻れたのは嬉しい。

喜びすぎてはしゃいでいる風の精霊の隣で、俺は久々に戻ってきた人間の体を堪能すべく無意味に腕を伸ばしたり、歩いてみたりした。叫びたい。夜だから控えめに、

「やったァああぁああああ!!」

思わずガッツポーズ。

「やった!本当にやった!嬉しい!やっと戻った。人間だぁっ、あー、やったぁあ!」

風の精霊達と一緒にその場でクルクル。

俺が万歳をやると最初は不思議そうにしていたが、しばらくすると分からないなりに一緒に万歳をしてくれる。ノリで。姿と声がないのが惜しいほど風の精霊達はいいこばかりだ。

しばらく夜の誰もいない川辺で跳ねたり、奇声を上げたり、精霊達と水遊びをして喜びを表現した。

因みに、適当に精霊達に向かって水をかければ、全員で束になって反撃してきた。風が水面を叩く力というのはすさまじく、一発で高波が起きて全身びしょびしょに濡れきった。

風の精霊相手にもう二度と水遊びはしない。それでも乾かしてくれたから、やっぱりいいこだ。

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王には世界を守る義務がある。
そして、俺にとっての世界は君である。