僕らのアレゴリック展覧会
BACK TOP


点点点

伝えたいことは伝わらない
話したいことは話せない
愛したいものは愛せない
憎みたいのに憎めない
声にしたいのに声は出ない

言葉がわたしを邪魔する
中途半端に嫌がるのは卑怯者です

---



優劣

人間は
自分は相手より上の立場にいたいという欲求を達成するために
常に戦っているんだと、
笑顔と言葉と行動の壁は分厚くて
ほんとうは、ほんとうは、
相手に勝ちたくてしょうがないのだと、
誰にも文句を言わせたくないのだと、
そういう心があるのなら
生臭い人間だと、
生粋の動物だと、

だけど人間ならば、生臭い方が美しいのではないかと
思うのです

---



スペース(宇宙空間)

宇宙は見つめ合うことができない
宇宙は見上げるものだと思う
だけど
宇宙が無量大数とあるのなら
僕の頭の中は宇宙だ
君の頭の中も、赤ん坊も
変化するしわくちゃの宇宙だ
可能性が星の数ほどあるのなら
僕の生命は宇宙だ
動物も草も昆虫も海も川も大地も
マントルに眠る熔岩も
大気を支配する風も
無機物だって
未来が無限大に広がっているのなら
僕の明日は宇宙だ
膨らんで跳ね返る元気な宇宙だ
だから
君が君を宇宙だと信じるのなら
君の身体から星の生命が溢れるのなら
僕は宇宙と交信できた
ただ一つの地球生命体なのだ

---



地球の生きる音

蟻には
ウオ、オオ、オ と聞こえる

鼠には
フハヘヒホ と聞こえる

猫には
マラッパマラッパ と聞こえる

犬には
ヨヨヨヤヨヨヤ と聞こえる

人間には
はっきりと発音しないドイツ語に聞こえる

僕には
赤ん坊の産声に聞こえる

---



パストラーレ

緑色のいのちの絨毯
浮かれ羊のクリーム繊維
掴めそうにない蒼色の大気
柵に腰掛けて
花色の空気を吸い込む
おさげのそばかす少女は
いのちの露に指をのばして
讃歌を合唱するのです

---



人間である限り 愚かなのだ

知っている
僕は知っている
僕は蟻を知っている
僕は蟻が生きていることを知っている
僕は蟻が無意識に生きていることを知っている
僕は蟻が無意識に命の流れに沿って生きていることを知っている


知らない
蟻は知らない
蟻は僕を知らない
蟻は僕が生きていることを知らない
蟻は僕が愚かに生きていることを知らない
蟻は僕が愚かに欲にまみれて生きていることを知らない

---



宇宙の法則

感じる
火星の鼓動を感じる
わたしの心臓と同じリズムを刻んでいる
リズムは時々ずれて、また巡り合う
それは、
メラニンがわたしと火星の間に壁を作っているから
起きる法則なのだと思う

生きとし生けるものの鼓動は
時々ずれては巡り合っているものなのだ
(または時々巡り合ってはずれているもの)

そして鼓動の狭間では、
折られた生ぬるい愛が風に乗せて飛んでいる
飛んでいる

---



地球は丸のみにされようとしている

物語はどこから生まれて、どこへ向かってゆくのだろう
僕は、目の前を通り過ぎるのを見ているしかできない
物語はじっと黙る僕を見つめながら囁くのだ
まわれ、まわれと

---




鳴り止まないからぶちかます
シャープに喚いて欲しい夜の輝き
だけどきっと届かない、聞こえちゃいない

命は自分勝手に出来ない贈り物
柔らかな羽をもぎ取ろうと企んでいるのなら
溢れ出す僕らの愛飲を眺めようよ

---



ランデブー

近づいて離れて
離れて回って
回って消える
消えて覗いて
覗いて煮えて
煮えて冷めて
冷めて触れあって
触れあって溢れるのは、
どうしようもない食物連鎖

---


↑back next↓


「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -