※続かない
「最近やけにスカルを可愛がるな、ツナ」
登校中に突然話を切り出したかと思えば、あのピュアで可愛い紫少年の話だった。
俺としては、彼はいじり甲斐ある後輩なのだが、どうやらこの人はそう見えないらしい。
正直に言えば良いのに、と思いながらも、俺も素直に言葉を繋げない。
「スカルは誰かさんみたいに、優しくしたらキスしたりしないから」
友だちだから、そもそもキスさせないの間違いなんだけどね。
「キスが嫌いか?」
俺が言った言葉に、真顔で返してくる。恐らく、この人にとって真面目に近い顔。
別にあなたとのキスが嫌いなんて、一言も言ってない。
「……そーゆー顔が狡い」
そんな顔をされては、意地悪できない。
俺はそっと隣の学ランの裾を掴んだ。
「話、繋がってんのか?」
俺がちょっと近づくとふんわり微笑むものだから、俺が悪者みたいに思えてくる。それでも、俺は顔を緩めないまま、隣を歩く。
「俺の中じゃ立派な会話だよ」
気付かないフリだから、早く攫ってしまえばいいのにね。
――――
まあ、どっちも酷いよ。