Chocolater(1/7)



「瑠依,明日はうるせぇ奴らが来るから
布瀬たちのところに行っとけ」

ソファーに座ってボンヤリとテレビを見ていると
キッチンで何やら忙しそうにしている圭くんが
手を止めて,僕の方へとやってきた.

唐突に告げられ理解出来ず,僕は首を傾げた.

「うるさい人たち…?」

あっくんと琳くんがこっちにいることが多いから
うるさいのは慣れっこなんだけどなー, なんて(笑)

そんな僕に圭くんは,はぁ〜と大きなため息をついて
ポツポツと経緯を話し始めた.

「明日な,クラスの奴らが何人かここに来ンだよ」

圭くんの話をまとめると…
明後日はバレンタインで,いつの間にか圭くんが
料理上手なことがクラスの人たちに,バレちゃってた
らしくって,チョコ作りを手伝ってほしいって
頼まれちゃったんだって.

嫌そうな顔してそう話してたけど,
圭くんは優しいから断れなかったんだろうな…(笑)

「そっか,邪魔しないようにあっくんたちのところに
行っとくね」

経緯を理解した僕は笑顔でそう答えた.

圭くんは見た目で損してるところがあるから
本当の圭くんを知ってもらえる機会ができて
僕は純粋に嬉しかった.

圭くんは怖い人なんかじゃなくって
ものすっごく優しくて男前なんだって.

「圭くんの良さがクラスの人たちに知ってもらえて
僕は嬉しいよ」

僕がそう言うと,圭くんは複雑な表情で
「あぁ」と気のない返事.

その反応に,あれ? と首を傾げる.

圭くんはあんまり嬉しいと思ってない…?

「あ,布瀬と二神が喧嘩始めたら,遠慮せずに戻ってこい」

そう付け足した彼の言葉に「うん,そうするよ」
と素直に返事した.

あの2人のケンカは僕じゃきっと止められないもんね.





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