「じゃーんけーん」
「「「「「「ぽんっ!」」」」」」

屋上でレギュラーとマネージャーで昼食
と言う約束をした覚えは無いけれど
いつの間にか、そう言う事になっていて
顧問に呼ばれていた俺が遅れて屋上へ続く階段へ行くと

「……何をしているんですか」
「おっ、永四郎が来たぜー!」

皆が皆、階段の中途半端な位置で止まっていた
一番下の、今来た俺の横にいる甲斐くんが気付いて皆に知らせる様に声を上げた

「ジャンケンで勝った人が上がるんばーよ!」

踊り場に立っているのは名前くんと新垣くん
その内、名前くんが言って

「永四郎が遅いから、何かしようぜって話になってよー」

彼女と甲斐くんの間くらいにいる平古場くんが続ける

「また懐かしい事を……」
「お、永四郎もやった事あんのか」

声の方に顔を向けると、踊り場より少しだけ上にいた不知火くんが手摺に寄り掛かって笑いながら此方を見ていた

「小学校の頃ですよ」
「今やっても、案外楽しいんどー!」

不知火くんより2、3段くらい上の田仁志くんが応える

「やれやれ……おや、知念くんはどうしました?」

上から覗いているのは二人だけだし、付き合い切れずに教室かと思いきや

「寛先輩なら、もうゴールしてしまったさー」

新垣くんが、笑いながら応えた
上の方からも

「わんもちゃんといるー」

と、知念くんの声

「ずっと一人勝ちでぽんぽん進んじゃうんだもんね」
「あー、寛がジャンケン強いとは思ってなかったさー」
「裕次郎は、弱すぎ」
「一番下って、逆にすげーっすよ」

踊り場以下の四人が笑いながら言うと、上の三人も笑っている様で
俺も、つられて笑顔になる

「よっしゃ、じゃあ永四郎も参加な!」
「負けないよ、少なくとも甲斐くんには」
「なんだとー!」

騒ぐな、と注意する事は簡単に出来るけど

こうして皆でわいわいやるのも

案外悪くなかったりするんですよね

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