おやすみ!


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実に軽い気持ちで、書いたそのまま更新します。名前変換なし。



0508 23:54

「小狐丸、おいで。トリミングしてあげましょうね」
「とりみんぐ!ぬしさま、今参ります」

「小狐丸はいつでも良い手触りね。艶があって豊かで」
「いつもぬしさまがとりみんぐをしてくださるからです。それにこの小狐、ぬしさまが喜んでくださるので気を遣っておりますゆえ」
「そう。ふふ、あなたはよい子ね」
「ぬしさま、よい子はお好きですか?」
「ええ。あなたのことが大好きよ」
「私もぬしさまのことが大好きです!相思相愛、ですね」


とうらぶ


0503 22:21

 はるちゃん、私に溺れて。

 泣きそうな目をしてぽとりと落とされたその言葉が、嫌に心の深いところに居座った。大切にしている。愛している。…何が足りないというのか。

「ごめんなさい、はるちゃん。忘れてください。ただのわがままだから…」
「…俺に足りないところがあるなら、言ってほしい」
「違うの。はるちゃんはとても私を大切にしてくれています。私が、それだけじゃ足りなくなっちゃっただけなんです」

 はるちゃんに、私だけを見てほしい。まこちゃんもりんちゃんも、はるちゃんが好きなもの全部捨てて、私だけを必要としてほしい。ごめんなさい。ごめんなさい、嫌いにならないで。

 はるちゃん、ごめんなさい、と繰り返し呟く小さな唇にかじりつく。甘いリップの味も、お前の発する言葉も、零す息も、掴んだ細い手首も、抱いた腰も、頬を滑る涙も、その赤い頬も、お前のすべてが俺のものになればいい。お前が好きなものをすべて捨てて、俺だけを必要としてくれたら。ああでも、無理だって、分かってるんだ。分かってるんだろう。


ふりー!


0501 18:29

「もうだめ」
「弱音なんて、らしくないな」
「そんなことない…」
「では、やっとオレに弱いところを見せてくれるようになったのだな」
「…じんぱち」
「よしよし、オレがいくらでも元気づけてやる。安心しろ、オレの前では強がりはいらんよ」
「じゃあ抱きしめてください…ぎゅっとされたら、やる気出る気がする…」
「もちろんだ。おいで」


セルフ励まし…先生が積極的に心を抉ってくる…


よわぺだ


0501 10:25

「世間はGWらしいですけど」
「文句言うな」
「文句じゃない、文句じゃないけど…8連休のやつの足の爪全部剥がれればいいのに。12連休のやつの全身の毛根が死滅すればいいのに。旅行行ってるやつの家具が全てなくなってればいいのに」
「お前…怖いぞ」
「世間はGWらしいのに!なんで自分はこんな!借金取りなんて!」
「そりゃお前、社長に雇われてっからだろ」
「ですよねー。シズちゃん先輩的確すぎっす」
「分かったら働け。今日トムさんいないんだから」
「うっす」
「まあGWとは関係ねーけど…終わったらアイスぐらい奢ってやっから。な?」
「………」
「どうした?」
「…自分。シズちゃん先輩の『な?』だけで向こう3年は生きていけます…ご馳走様です…」


でゅら!


0428 23:36

「お誕生日おめでとう、新くん!」
「おー、ありがとな」
「あれ、私には来ないの?どーん」
「行ってもいいのか?」
「お誕生日だから、特別に!」
「じゃあ遠慮なく、どーん」
「あはは、私はぎゅーっとしてあげるよ」
「あーいいわ。毎日誕生日がいい。柔らかい」


つきうた


0425 23:03

「おそとにでれるのはいちねんのうちでいちにちだけ。それいがいはずうっとはこいり。まさむねさまはしのぎとひでよしさまをとってもだいじにしてくれた。でもねえ、さみしいものはさみしいのよ」


とうらぶ


0424 10:19

「いちにいさま、ひさしぶり!」
「鎬…鎬!?」
「うん、しのぎとうしろう、またあるじさまにおつかえできるよ!」
「鎬…もう会えないかと思ったよ」
「えへ、あるじさまがしのぎにもういちどせいをくれたんだよ。やさしくてすてきなあるじさまなの」


「あつい、ひのなかで、からだがとけていくのをかんじたの。じわじわと、じぶんがただのてつになるのがこわくて、しのぎはあるじさまたちにいっぱい、たすけてっておねがいしたの。でもしのぎのあるじさまはもういなくて、だからしのぎもそこにいくのかなっておもった。ただのてつになって、いしきもなにもなくなって、しんで、でもいまのあるじさまがおこしてくれたの。たすけてくれたの。だからしのぎは、あるじさまをおまもりするよ」


「あるじさま、おこまりなことがあったら、しのぎをけんじょうするといいよ。きっとゆるしてもらえるから」


「しのぎはたいせつにたいせつにされてきたんだよ。はこいりむすめ、なんだから。きらきらきれいなねどこをよういしてね」


とうらぶ


0421 21:58

「ごめん、ごめん清光、私が悪かった」
「…いいよ、主は悪くない」
「違う、私が…配慮できてなかった、だから清光は、」
「いいんだって。俺、刀だよ?主に使われるのが役目だし、そこに俺の事情とか関係ないし、形あるものは、いつか、壊れるんだから」
「それでも…それでも私は、あなたを大切に扱いたい。今のあなたは、こうして触れられる存在で、意思もあって、それを伝えられるんだから」


とうらぶ


0421 21:45

 元気のない朝は、大好きな甘いイチゴミルクの飴を食べて、大好きなアイドルの歌を聴いて家を出る。
 昨日は散々だった。言い訳だけど、ちょっとした事情で勉強が手につかなくて、返ってきたテストはボロボロだった。私、どうしてこんな過酷な道を選んじゃったんだろう。諦めて、就職の方考えればよかった。でもそれももう遅い、なんて弱音ばっか考えて。みんな、なんであんなに簡単に生きていけるんだろう。私には、なんか難しいことだらけで、立って呼吸をすることさえもままならない気がする。
 そんな思いを引きずったまま日付を超えてしまった朝は、本当に気も体も重い。甘いイチゴミルクはもうなくなっちゃった。大好きなアイドルの大好きな歌は、やっぱり大好きなままだけど、なんだか寂しい。
 駅まで来ると、その寂しさは顕著に募る。大きく引き伸ばされたパネルの中の、大好きなアイドルが、こっちを見て笑ってる。二人はあんなに高いところでキラキラしてるのに、私は、何してるんだろうって、ああダメだなあ、これから学校なのになあ。

「(新くん、葵くん…寂しいよ)」

 ずーっと、一緒だったのになあ。
 ポケットのスマホを取り出して、新くんの連絡先を表示してみる。この番号をタップすれば、寂しさは薄れるかもしれない。…でも、忙しいから、出ないかも。これは諸刃の剣だ。

「(学校、サボっちゃおうかなあ)」

 高校までは、学校に行けば二人に会えた。休日も三人で一緒に遊んで、楽しかったのに。いつからか私だけ置き去りになっちゃった。
 二人からアイドルになるって聞いた時、とても嬉しかった。それは今も変わらない。変わらない、んだけど。

「(あ、泣く)」

 思ってからは早かった。ぽたぽたと涙が溢れて、思わず隅っこで蹲ってしまう。もう立ってることもできない。うう、と呻き声のような鳴き声が漏れ出る。悲しいことがいっぱいで、悲しいことでいっぱいいっぱいだ。

「大丈夫ですか?」

 後頭部にかけられた声は、どこかで聞いたことのあるものだった。


つきうた


0416 13:04

「新しい靴を買ったから、履きたくなったの」

 真っ赤なヒールと同じように足首を真っ赤に腫れ上がらせてそう呟いた彼女の顔は沈んでいて、僕はなんだかすごく愛おしく感じた。

「雪男にも見てほしくて。可愛いねって、似合うよって言ってほしくて」

 僕としては、そのヒールに映えるようにと履いたショートパンツから覗く太ももを他の男に見られたということが少し許しがたいのだけれど。僕のためにとオシャレをしてくれるその気持ちは、とても嬉しいものだから。

「今日は遊びに行くのはやめようか」
「えっ………うん、」
「僕の部屋でゆっくり過ごそう?このところ忙しくて、ちゃんとした時間が取れなかったから」

 一瞬泣きそうになった顔が、ぱっと明るくなる。単純な僕の彼女は、ああなんて可愛いんだろう。
 そうと決まれば、と階段に腰掛けていた体を抱き上げる。少し恥ずかしそうにしながらも素直に僕に体を預けてくれるのがもう、愛しくて愛しくて堪らなくて、部屋でゆっくり、はできないかもと思う。僕だってただの高校生だ。
 兄さんは買い出しに出かけたけど、そう長い時間留守にはしてくれないだろう。彼女とイチャイチャしたいから時間を潰してくれ、なんて素直に言ったらからかわれるだろうか。

「そうだ、言い忘れてたけど、その靴も君も、可愛いよ」


あおえく




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