はんだと!

(随時更新)
俺、半田のねーちゃんになりたい。

▼ 28

「真ちゃんごめん」
「何で急に謝るの?」
「うん、最初に謝っておくわ」
「何か悪い事したんだ?」
「かも」
「ふーん」
「言わない方がいい?」
「自分の罪は認めた方がいーと思うよ」
「そうか。じゃあ言うわ」
「聞いてやろう」
「むかつく上目線! あのな、一之瀬君の事なんだが」
「は? 一之瀬がどうかしたの」
「彼には直接関係はないが……、その」
「何だよ。はっきりしろよ」
「……犯しちゃった」
「は!?」
「夢の中で。俺、真ちゃんのお兄ちゃんで、学校にばらしてもいいのかよーみたいな感じで」
「……」
「まじごめん。いや、夢だし、実際そんな事全然思ってないし、真ちゃんと一之瀬君には幸せになってほしいし」
「ねーちゃん」
「はい! なんでしょう!」
「ねーちゃんに頼みたい事あるんだけど」
「はい!」
「俺今、新しい必殺技覚えたいんだよねー手伝ってくんねえかな?」
「ことわr……」
「聞こえない」
「……喜んでお引受け致します」

▼ 27

「あつー、早く入れよ」
「うん、お邪魔しまーすっ」
「てかクーラーつけてねーじゃん。ねーちゃん! 冷房……」
「真ちゃんお帰り」
「ねーちゃんっ! だらしない格好してんなよ!」
「るっせー」
「半田ーコーラ冷蔵庫入れて貰っていい?」
「えっちょっと待って!」
「何? 一之瀬君?」
「そーだよ! とっとと起き上がれよ!」
「やー」
「あ、半田のおねーさんこんにちはー」
「はいこんにちはー」
「もうねーちゃんだれるなら部屋に戻れよ!」
「んー。あ、一之瀬君。もし良かったら冷凍庫にあるアイス食べてね」
「ありがとうございますっ」
「ほら一之瀬、コーラ入れといてやるから先部屋行ってて!」
「半田ったらせっかちなんだから」
「ほんとー発情期?」
「ねーちゃんは黙る!」

▼ 26

「こせーがなーいと、ゆーけれーど」
「喧嘩売ってんの?」
「そんなにーだいじなあものでーすかあ」
「ねーちゃん、静かにしろって」
「真ちゃん。個性がない事も立派な個性なのよ」
「何が言いたいわけ?」
「いや、言ってみたかっただけ」
「てか林檎飽きたよ。ねーちゃんのスイカバーの方がいい」
「だめー。病人は林檎って相場が決まってるんだ」
「病人じゃねえし」
「片手でスイカバー食べて、落としちゃったらどうするんですか。食べにくいですよ」
「だったらチョコモナカで我慢する」
「退院してからねー」

▼ 25

「……宇宙人犯してえ」
「!?」
「ねーちゃん少し黙って!」
「ほらごらん、悔しそうな顔してゴールに向かっていくよ」
「キャプテン達の方が勝ってますからね」
「このまま守り切れば……!」
「もう勝ったもどーぜーん!」
「おっおっ、すごいすごい! 止めたあああ!」
「試合終了ですよ!」
「やったぁぁあああああ!」
「わっしょーいわっしょーい!」
「やったやった!」
「真ちゃんも姉ちゃんとハイターッチ!」
「マックス、ハイターッチ」
「いぇい」
「何でお姉ちゃんの事避けてもうたん、しょぼん」
「ねーちゃんうっさい。帰るなら帰れよ」
「だって見出したら、見入っちゃって。帰るのめんどい」
「いっそねーちゃんも入院したら?」
「その手があったか! ここから飛び降りれば……」
「やめてくださいよぉ!」

▼ 24

「リハビリ始まったんだ」
「うん。俺は腕だからいいけど、中には足って奴も居て……」
「そうか」
「ねーちゃん、林檎歪すぎる」
「仕方ねーだろ。いつも真ちゃんが剥いてくれてたんだから」
「……そんなんだから彼氏も出来ないんだろ」
「うるせー。彼氏持ちだからっていい気になるな」
「ふん。って、うわ! 危ないなあ」
「昔真ちゃんに邪魔されて指切りそうになったのが、今でもトラウマです」
「いい加減出来るようになれよ!」
「家出る予定もないので、真ちゃんにお世話になりまーす」
「まじねーわ」
「もぐむしゃ」
「何だよ俺に剥いたんじゃねーのかよ! こら、それ俺の葡萄!」
「もぐむしゃしゃあー」
「もーねーちゃん嫌い!」

▼ 23

「ただいまー」
「おかえり」
「あれ、真ちゃん早いね。まだ2時だよ」
「今日定例研」
「羨ましいな中学生」
「うるせーニート」
「ニートじゃないの休みなだけなの!」
「何処行ってたん?」
「アイス食べてきた。今ダブル安いから」
「あれまだやってるんだ。期間長いな」
「あれ、出かけるの」
「うん。友達と」
「友達じゃねーだろ」
「うっ」
「一之瀬くんだ?」
「……何でわかんだよ」
「真ちゃん、友達呼ぶ時ちゃんと誰来るか言ってるし。友達って匿名を使う時は一之瀬くんって相場は決まってるよね」
「そうか……。あーうん、一之瀬と、出かけてくる」
「デートか、羨ましいな中学生のクセに」
「うるせー引きこもり」
「いってらっしゃーい」

▼ 22

「うわ」
「あ、真ちゃん」
「どーしたんだよ、この化粧品の山。それに髪も」
「来週学校だからさ、少しずつ化粧覚えていかないとって」
「はあ? ねーちゃん色気づいてやがる」
「色毛づいてませんー。これが、女の子の普通なんです。うちは校則が厳しかったからね」
「じゃあ、急に黒に染めたのも」
「そう、茶髪だろって指摘されたから。真ちゃんはそういう事態にならない学校に入りなね」
「うん……」
「何だよ」
「いや」
「お姉ちゃんのこの髪久しぶりだろ。これでまた真ちゃんとお揃いだね」
「……やっぱり、ねーちゃんそっちのが良い」
「えへへー。お姉ちゃんも真ちゃんのチョコみたいな髪、大好きだよ」
「でも化粧は合ってない」
「何でえ!?」

▼ 21

「真ちゃん、そろそろ彼氏の事について話してくれてもいいじゃない」
「良くない」
「えー」
「えーでも、やだ」
「お姉ちゃんはやじゃくないです」
「あ、あっちに迷惑かけたら嫌だし」
「いや、迷惑じゃないと思います」
「え?」
「だって彼自ら挨拶してくれましたからね」
「は?」
「幸せにするので、半田真一を俺にください」
「え、嘘……。いつ?」
「お姉ちゃんのホットケーキを犠牲にして、彼氏召喚!」
「あの日!? え、だってねーちゃんと顔合わせてなかったじゃん!」
「静かになったなーと思ったら、彼がやってきてさ、お騒がせしてすみません、彼氏です、って。誰だと思ってたら、この前の写真の一之瀬くんじゃないかーびっくりだよー」
「あっ、あいつ! 勝手にそんな事!」
「半田、今寝ちゃってて、すみませんがタオルとお湯貸してくれませんか? って」
「ひぅううう!」
「この前出くわした時、ちゃんと顔見れなかったから、いやーいい子じゃないの」
「ねーちゃんのバカぁあああああ!」

▼ 20

「えっこれから友達くんの!?」
「急な話で悪いけど」
「はああああ? 掃除はしてあるけど、お前、これから姉ちゃんご飯!」
「別に良いよ。俺の部屋に居る予定だから」
「お菓子とか、ジュースは?」
「自分で用意する」
「……真ちゃん偉い」
「これくらい自分でやるし。ってあ、ねーちゃん!」
「え、あ、ひいいいい! ホットケーキェ……」


「はぁあ、まだ口の中苦い……」
 どんっ、ぎっ
「へ?」
 だんっ、ぎぎっ
「……真ちゃんか」
『……っ、こ、……なっ、まっ……』
『も、……ない、お…………だ!』
「……」
 ぎっぎっ
「……友達って、彼氏の事かあ」

▼ 19

「……」
 ぴろりろりん
「わっ!」
「たそがれ真ちゃん」
「撮るなよお!」
「送ってやろう」
 シャンラララ、シャンラララ
「うわっ!」
「まだ送ってないんだぜ」
「いーの! 構わないで!」
「……」
 シャンラララ、シャンラララ
「また!?」
「それはねーちゃんだ」
「むぅうう」
「中々いい顔してんだろ」
「もう撮らないでよ」
「んー。あれーどこ行くの」
「トイレ行ってくる!」
「いってらー。…………ひとーりでいてもふくすーけー」


「ふう」
「――えーあい! いーつかてにいれるーぜっあこがれのーごおすとー!」
「ねーちゃんうっさい」
「あーあっみんなのきぼーぉさ!」
 シャンラララ、シャンラララ
「うおっ!? まだ返信してないのに」
「ばんのーろぼおっとー」
「か、わいい? へ? あ、ぅ、うう」
「えーあいっせーんたい」
「ねーちゃん! 勝手に携帯いじっただろ!」
「たちーこまんずっ!」
「うわっ、なんでさっきの写真送ってるの! ねーちゃん!」
「えーあい、せーんたい、たちーこまんずぅ」

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