※教授×生徒。
「るんるる〜ん♪」
「これはなんだ…この…奇怪なモノは…」
「奇怪とは失礼ですね!これは食べ物ですよ」
我輩は異臭を放っている鍋の中を覗き込んだ。調合の際に感じるどんな異臭よりもきつかった。
これが食べる物……?嘘であろう。
「異臭を放っておるし、有り得ない色だ。人間界の食物で、スープが紫色になるモノなど、我輩は知らんぞ――」
「教授は知らないはずですよ!だってこれは、『日本のお正月』で食べる、『お雑煮』ですからね!」
……また、日本の薀蓄か…。
おそらく、100%誤りだろうが……仕方ない。一応確認してみるか。
「何故、『お雑煮』とやらが異臭を放っておるのだ。その色はどんな食材を使えばそうなる?」
「んー…それは、ここだったら日本では手に入らない食べ物とかもあるから、仕方なくココにあるモノで代用したから、かも?」
「ココにあるモノ?―――!」
我輩は勢いよく後ろを振り返った。すると、そこに置いてあったはずの、貴重な薬草がまるまるひと房、無くなっているではないか!
あれは、今年やっと栽培した、貴重なモノだったのに…!
「お、お、お前はなんということをしてくれたのだ――」
「未来のお嫁さんの手作り料理ですよ!教授…召し上がれっ」
我輩の言葉を一切無視し、レイがスープ皿に盛りつけた、自称『お雑煮』は、ボコボコと異臭を放ちながらうごめいている。
レイは満面の笑顔で、頬は嬉しそうに染まっていた。
これを…これを……我輩に食せ、と?!
「わ、我輩は腹は減っておらぬ……」
「出来立てだからおいしいよっ!」
スプーンにソレをすくうと、フーフーとさましながら、レイはスプーンを我輩の口に近づけ、そして――、
「はい、あーん♪」
「@*+#$%▽☆ДИ◎〜〜〜?!」
……ほぼ、強制的に食べさせられたその物体のせいで、我輩の臀部には変な尻尾が生えてしまい、取れるまで二週間を要したのだった。
(料理の腕は魔界で磨いたのかお前は!)
(どうしてそんなモノが生えたんだろうねぇ。変だなぁ、この本の通りに作ったのに…)
(!ギルデロイ・ロックハート著?!)
(H25,1,2)
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※ロックハート×レイで、破壊力抜群の料理が出来ました(笑)
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