今日は薬学教授、セブルス・スネイプの〇〇回目の誕生日である。

この日は寮監でもあるスリザリン生からのプレゼント攻撃が凄まじくなる日でもあった。
実は、クリスマスもなのだが……それは今回、横に置いておこう。



スネイプは溜息を付くと天を仰いだ。
何故なら、部屋の中に足の踏み場がないほど、プレゼントが送りつけられていたからである。


「……来年は部屋に鍵をかけよう」



ひとり、ポツリと呟くと仕方なくスネイプは、一つ一つプレゼントをチェックしだした。
寮監でもあり、なんといっても彼はスリザリン。返礼もしなくてはならないからである。
スネイプはあるプレゼントを手に取る。


「これは―――?」



大きな箱を開けると、そこに入っていたのは、ワインレッドの衣装と仮面だった。
意味不明な贈り物に戸惑いつつ、眉を顰めるスネイプ。



「下品な色だ……しかも何故か……」


採寸がピッタリ。


一応袖を通してみると、それまるできちんとオーダーメイドされたように、身体にフィットした。
若干気持ち悪く思いつつ、メッセージカードを読み上げる。




☆☆☆☆☆


To,セブルス様


この衣装を来て、私と仮面舞踏会に来ていただきたいの。
貴方の名前は「ファントム」。私の名前は「クリスティーヌ」。

情熱的な一夜を過ごしましょう……。貴方が生まれた記念に。



×××,クリスティーヌ




「意味がわからん」


我輩が仮面舞踏会など……、とブツブツつぶやきながも、若干顔が赤いスネイプ。
衣装を脱ぎ捨て、けれども意外と丁寧に畳むと次のプレゼントに手をかけた。



「はぁ……どれどれ―――?」




次の箱は小さな箱だった。やけに軽く、そして降ってみるとカサカサと音がする。
なんだろう。疑問に思いながらスネイプは包装を解いた。するとその中にあったプレゼントは―――、




「な、なんだこれは!!!」


手に取ったとたん、それを投げ捨てるスネイプ。


「なななんという破廉恥な……ッ!!」


よろめきながらも声を張り上げ、不快感を露わにするスネイプ。彼が投げ捨てたもの、それは……。


「………自分が穿いた下着を誕生日プレゼントに贈るのは、よくある事なのか?」



有り得ない、と何度も呟き、頭を振った。なんという衝撃のプレゼント。
けしからん、懲罰してやる、と思いながらメッセージカードを見た。


☆☆☆☆☆


貴方の為に頑張りました!ちゃんと1日穿いたので、“使用済み”ですよ。
ちなみに、オークションでは高額で取引されるものですから、大切にしてくださいね?


愛を込めて。


From,スネイプ命




「アレを穿いたのか………」


非常に、面積が少ない下着であり、なおかつほとんど下着として意味をなしてはいないように見受けられるが……どうなのだろう。
そんなことを呟いている時点で、その下着をしっかりとチェックしていることに気づいていないスネイプだった。



「はぁ……もう嫌だ。どうして誰もまともなプレゼントを贈って寄こさない?」


その後も多くの時間を割いてプレゼントをチェックしたスネイプだったが、かなりうんざり顔をしていた。
何故なら、あの後確認したプレゼントもかなり独創性があり、強烈なモノが多かったからだ。



例えば、いかにも呪いがかかっていそうな、結婚指輪とか。

白い布に、血文字のラブレターとか。

酷いモノに至っては、土地の権利書などもあった。


「ギャグ?ギャグなのか……?」


ひとり悩むスネイプ。
そんなこんなで最後のプレゼントになった。最後のプレゼントはかなり大きい代物であった。
まるで、人ひとりが入れるくらいな大きさだった。


(まさかな…?)


そう思いながら、スネイプは最後のプレゼントを開けた。
包装を開けると、そこに入っていたプレゼントは、


「……お前は」



なんと、箱の中でスヤスヤと寝ているスネイプの恋人、レイだった。
精一杯おめかしをし、化粧もしてある。普段付けないようなマニキュアまでしていた。


「何をしているのだ、お前は……」


スネイプは呆れた。おおかた、スネイプがプレゼントを開けている時間が長かったので、その間に待ち疲れて寝てしまったのだろう。
可愛らしく眠りこけている恋人の側には、メモ紙が落ちていた。メッセージカードではなく、自分用のものらしい。
スネイプはそれを拾い上げた。



++++++


・一番最初に、スネイプ先生におめでとうを言う!
・それから先生のお仕事を一緒に手伝って、その後お疲れさまのマッサージを!
・先生の大好きな食べ物をお出しして、一緒にお食事が出来ればいいなぁ
・あと、先生にオメデトウのちゅう、出来るかな


+++++


「可愛い事をしおって…」

ムニャムニャと何かを言いながら夢の世界にいるレイを見て、スネイプは微笑んだ。
まったく、こんなに可愛すぎるから、


「逆に手を出すことも出来んではないか…」


そう呟くとスネイプは恋人を抱え上げた。妖しく笑いながら囁く。


「さて、我が恋人殿。我輩の寝室へご案内しよう…。君をそこへご案内するのは初めてですな」


大事に、大事に運びながらスネイプは思った。
こんな誕生日も悪くない――――。


(H25,01,09)

*****

*教授が贈られたモノリスト*

・「オペラ座の怪人」なりきりコスチューム
・自称「スネイプ命」さんの使用済みパンティ(総レース・Tバック)
・結婚指輪(付けると外せなくなる呪い付き)
・土地の権利書(南国の島)
・血文字のラブレター
・石油王のハーレムご招待券
・「闇の魔術に対する防衛術教授」に1日だけなれる権利

他色々です(笑)

スネイプ教授、お誕生日おめでとう!!
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