※教授×生徒(恋人)設定。
「教授ー」
「今度はなんだ」
「羽子板しましょー!」
「……だから、何故我輩がそんなくだらない事をせねばならんのだ」
「だから、お正月にすると縁起が良いんですってば」
「そういうものなのか?」
「そういうものです!」
「………はぁ、わかった」
「やったぁ!じゃあ、準備するねっ♪」
〜しばらくお待ちください〜
「お待たせ!教授は、こっちを使ってね!」
「これは…ラケットのようなものか?」
「そうですよ!これを使って、この羽をつき合うんです」
「なるほど……何故重みが?」
「あ、それはですね……裏を見てくださーい」
恋人に言われたスネイプは、羽子板の裏を見た。
「な!」
「えへへ〜凄いでしょ!今回はちょっと凝っちゃいました」
「なんだこれは!気持ち悪い…」
「えーそうかなぁ…。凄くよく出来てると思うんだけど」
「よく出来すぎていて逆に気持ち悪いぞ。それよりもどうしてコイツが…」
「え?嫌でした?」
「当たり前だ馬鹿者!何故よりにもよって…シリウス・ブラックなんだ」
「私のなんて…これですよ!」
「………ルシウスか」
「えっへん!頭髪の後退ぶりまで緻密に表現してみました」
「そこは察しろ。盛ってやれ」
「えー」
「こんなに凝る必要があるのかね?」
「ありますよぅ!だってこれはね、特殊な魔法までかけてあるんですから!」
「魔法?」
「そうです!こうやって羽子板で羽をつくとですね……」
恋人はそう言うと、羽子板で羽を打った。
『痛い!』
「はい教授〜羽がそっちに行きましたよ〜打ちかえして下さい〜!」
「…わかった」
スネイプは嫌そうに、羽子板で羽を打ちかえした。
『いってー!!』
「………何故、羽子板から声が聞こえるのだ?」
「だから〜魔法をかけてもらったんですよ!」
「……誰に?」
「ダンブルドア校長!」
「………どんな魔法か、聞いても?」
「勿論!こうやって羽子板で羽を打つとですねー」
そう言いながら恋人はもう一度羽子板で羽を打った。
『痛いぞ!』
「羽子板に描かれた人物に痛みが伝わるようになってるんです」
「!」
画期的ですよね!とドヤ顔で言う恋人に、スネイプは――。
「……素晴らしいな。では羽をくれ」
そう言うとスネイプは羽子板を見つめ、非常に嬉しそうだ。
「はーい!」
その後、二人は日が暮れるまで羽子板で楽しんだという…。
ホグワーツは今年も平和だ。
(H26,1,2)
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