04 おはよう

教授×生徒。03“指先”の続きです。教授視点。




最近、気になる生徒がいる。

ウィーズリーのような問題児ではないが、ある意味、自分にとっては問題かもしれぬ。
何故なら、その娘はまだ年端もいかぬ子供であったからだ。

寄宿学校なのだから、周りには生徒しかいないのは当たり前の話だ。自分は違うと思っていた。生徒に、そのような感情を持つなど有り得ない。

最初に見た時は何の感情も湧かなかった。大勢の生徒の中の一人、であったはずだ。
だがいつの間にか、我輩の中であの娘は、特別な存在になってしまったのだ。


よくない兆候だ。


我輩は頭を悩ませた。子供……彼女は、まだ、ほんの子供だ。教師である自分が、このような感情を持ってはならぬ。
そう思い、抑えようとすればするほど、疼くこの感情は、もうどうにもならぬ。なんとか隠してはいるが、一体いつまで我慢できようか。

抱き上げた時の、あの身体の軽さ。
覗き込んだ時に見た、首筋の、あの美しいライン。それはまだ、未完成であるが故の、危うい美しさを持っていた。


我輩には、幼女性愛の趣味はないはずだが…。




授業では、我輩が近づくだけで頬を染めてくる。その危うい美しさは、我輩の理性を試しているとしか思えない。
触れてみたい、その赤く染まった頬に…唇に。
そんなことを思ってしまうとは、な……。



「おはようございます、スネイプ教授」

大広間への道のりを歩いていると、彼女にかけられる挨拶。これも恒例になった。


いつの頃からか、朝食の前にこの廊下を歩いていると、彼女に逢うのだ。
朝から、この娘は非常に愛らしい。頬をほんのりと染めて、少し恥ずかしそうに言ってくる。



ただの、挨拶だ。意識するほどのことでもあるまい。
そう、自分に言い聞かせて我輩も挨拶を返すのだ。


「ああ、おはよう………」





…………そんなお前との小さな触れ合いを、我輩は密かに楽しみしているのだ。我輩を軽蔑するかね?

我が愛しのレイよ……。


(H25.05.07)
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