今日は、ハロウィーン。ここホクワーツでも夕食には豪華な食事が出て、お祝いをする。生徒達は皆「トリックオアトリート?」を言い合い、お菓子やプレゼントを渡しあうのに…ああ、それなのに。

どうして私は医務室で、教授のまっず〜い薬を飲まなくてはいけないのでしょーか。

身体を張ってハーマイオニーを守った私は、勲章ものだと思います。ええ、そうでしょうとも!たとえくれる人がいなくたって私はそう思っていますよ!
いや、勲章が欲しいから助けたわけでは勿論無いですよ!無いですけど…。

今、私の前にはものっそい怖い顔をした教授様がゴブレットを差し出しています。
またですか、またなんですか!あの、ヘドロみたいな緑色の…ものっそい苦い薬ですか!
今日はハロウィーンですよう?教授に会えたのはとっても嬉しいですけど、何でお菓子じゃなく薬なんだろう…。いや、必要だからね、わかってるんだけどさ。
私が何時までもゴブレットを受け取ろうとしないので、教授は溜め息をついた。

「…おまえは馬鹿か?」

「いやそんな酷いですよ教授!ちょっと覚悟をしていただけです。」

「早く飲まぬと効果が下がるのだ!それとも飲みたくないなどというつもりではないだろうな?そのような子供じみたことを言うわけは無いであろう?」

「(むう〜!)そんなこと言うわけないでしょう!ああ、本当に美味しそうですねえ!ゴボゴボいってますよわあ、新鮮だあ。飲むのが楽しみですね!」

「…ふっ。ではさっさと飲むが良い」

「分かりましたよう。…ムグググ……ゲホゴホ。『けっこうなお手前で…』」

「(?)なんだその最後の言葉は」

「ああ、日本語で“とっても美味しかったですありがとうございます”って意味です(適当に答えちゃえ)」

「……そうか。ではもう一杯くらいなら飲めるな」

「ええ!何でですか!もう入りませんよ!充分ですからもうお腹一杯です」

「“とっても美味しかった”のであろう?では我輩としてはもう一杯勧めなくては。礼儀としてな…?」

「ひい〜もう本当に結構でございます。いやあの本当に無理です」

「……だから日本人は駄目なのだ。お世辞もほどほどにしたまえ」

「……はひ」

「……今日はハロウィーンだな」

「…ああ、そういえばそうですね」

「おまえにねだられると思ってな、せっかく菓子を用意していたのだが…無駄だったな」

「ええ!そ、そんなあ。はっ!まだ間に合いますね!では「トリックオアトリート!」」

「……仕方ないな。ほら」

「わあ美味しそうなクッキー!嬉しいなあ。早速食べようっと。……ムグモグ……お、美味しい〜!」

「……トリックオアトリート」

「……んな!何言ってるんです?今医務室にいるんですからお菓子なんて持っているわけないでしょう?」

「お前……我輩から菓子をせしめておきながら自分は何もないと言うのか…ではいたずらをしても良いということだな?」

「ひええ、それは勘弁してください〜」

「さあ、どうしてくれよう?…」

「あわわ……」




二人の会話をカーテンの陰から聞いていたマダムポンプリーが、笑いをこらえていましたとさ☆

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