我輩は重症かも知れぬ。好きな人のことが気になる…。
見つめていたら、ふとした表情やしぐさ、ああ、こういう所がいい、など思ってしまう瞬間があり、我輩の胸を高鳴らせるのだ。

例えば…、
我輩の部屋で勉強をしている時、無意識なのであろう、解らないことがあるときは軽く首をかしげている。時々眉間にシワをよせておるな。可愛らしい表情だ。

髪を触りながら考えている姿も良く見られる。癖なのであろう、そのしぐさが愛らしい。
時々、くちびるに指を当てて真剣に考え込んでいる姿も多く見かける。そんなしぐさも堪らなく魅力的だ。

我輩が見ていないと思っているのかね?無防備すぎるぞ。

我輩に反論する時、頬を膨らませるそのしぐさ。お前は怒っているつもりだろうが、我輩にはそうは見えぬ。堪らなく愛らしく、つい触れてしまいそうになるのだ。

そして、我輩が愛を囁いたり、お前に触れる時…。
お前は頬を染めて、我輩に目線を合わせようとせぬ。そのような恥じらいに、我輩はさらに魅せられるのだ。

我輩がキスをすると、ためらいがちに我輩に腕を廻してくるその抱擁が愛しくて堪らぬ。
お前にキスをした後の、その潤んだ瞳が好きだ。
そして、おずおずと、上目遣いで遠慮がちに我輩に話しかけるその視線でさえ、無意識に我輩を煽っているのがわからないのだろうか。

我輩に、本当に嬉しそうに笑顔を向ける時、我輩の心は温かな気持ちで満たされる。
満面の笑みも魅力的だが、ふとした時に見せる微笑みも我輩は好きだ。
くるくると良く変わる表情のひとつひとつ。その全てが愛しい。


ああ、本当に我輩は重症だ。


こんなに人を好きになる事など、初めてのことだ。時々、好きすぎて苦しくなる事もある。
この気持ちに終わりはないのであろうか…。


そんな気持ち、お前は感じているのかね?



「どうして……そんなに見つめるの?」

「…すまない……気が散ってしまったか?」

「…ううん、…そんなこと、ないけど……」

「……お前が…愛しいから……見つめていたかったのだ…すまぬ…」

「……セブルス……その台詞は反則じゃないですか?」

「何故だ?」

「そんな台詞を言われて、平気な訳、ないです…」

「何故…そのような目を向けるのだ?」

「…セブルスが…そう、したんでしょう…?」

「…い、や…そんなつもりは…なかったのだが…」

「…もう…責任とってよ……」


お前はそう言うと、我輩に抱きついてきた…。



そんな甘い、甘い、ある日の午後のお話。

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