私の好きなもの、それはね、まずは教授が淹れてくれる美味しい紅茶。
初めて飲んだ時、そのあまりの美味しさに驚いたのを憶えている。
ふふ、今でも思い出せる、教授のあの眉間のすっごいシワ、そうして不機嫌な顔。
あんなに機嫌が悪いのに、淹れてくれた紅茶はとっても美味しくって、ああ、やっぱりあなたは優しい人なんだって、そう思ったんだっけ。

いじわるなのに、優しい…教授、あなたのそのわかりづらい優しさがみえるその瞬間がとても好きだなんて、そんなことを私が思っているなんて、絶対に秘密にしなきゃ。
だって教授、あなたの素敵な所は、私だけがわかっていればいいんだもの。
他の人になんて知られちゃったら絶対に駄目。私の教授がとられちゃう。
だって、それでなくとも私は今男の子なんだし、周りには可愛い女の子が沢山いるんだから。私だって、元は同じ女の子なのに、見ていて可愛いなあって思う子がいるんだから、教授がそんな可愛らしい子からアプローチされたら、クラクラ、フラフラしちゃうかもしれないもん。


そうして私が次に好きなものは、教授と二人きりで、部屋でまったりと過ごしている時、教授が真剣な顔で仕事をする姿だったり。
真剣な目で見つめられるレポートや調合途中の薬にちょっぴり嫉妬しているなんて、そんな恥ずかしいことは教授には知られたくない。
けど、そうやって真剣に仕事をしている時の教授はとっても格好良いんだもん。
真剣に仕事をしている男の人の姿って、とっても素敵だと思う。
そうしてそんな教授の真剣な瞬間を見ることができるのは私だけなんだよね?私ってば、とってもラッキーな子だなあなんて思っちゃうんだ…。


それから次に私が好きなものはね、教授に抱きしめられた時、じーっと愛しげに見つめてくれる教授の視線かな…。
言葉で愛を囁かれるのもとっても胸がドキドキするけど、あんなに強い視線で、愛しげに愛でるように見つめられると、言葉よりも心にきゅうんときちゃう。ときめきが止まらないんだもん。
いつまでも、いつまでもそうやって見つめていてほしいなって、もうちょっとでそんな恥ずかしい台詞を言ってしまいそうになっちゃうくらい、素敵な瞬間なんだよ?



勿論、激しくキスをしたり…、教授が私を情熱的に愛してくれるのも……、言うのは恥ずかしいけど、実は、大好き……。

けどね?けど、行為よりも、見つめたり、見つめられたりする方がもっと…もっと好きかもしれないな。
だって、愛し合っちゃったら終わりがくるから…いくら快感が深くても、それが続かなければ意味がないんだもん。
男の人はより深い快感を求めるかもしれない。けど、私は女の子だから、ちょっとずつ…少しずつ…深まっていって、いつしか抜けられなくなるような愛の方が良い……。



でも、一番好きなのはやっぱり教授、あなただよ。
教授…大好き。本当に好き。

私の、たった一人の、この世で一番大切な人……。

教授の皮肉げに笑う顔とか、イジワルな笑い方とか、眉間のすっごいシワとか…、皆が好きになりそうもない所まで大好きなんだもん。
教授、あなたへの愛は、もう私の中で簡単に語られるようなものじゃないの。
教授への愛は、海よりも深く、山よりも高い。それでいて空気のようにいつもあって、水のように大切なもの。教授が大好なこの私の気持ちは、どんな尺度を使ったとしても測ることはできないの。



だから、覚悟してよね?教授。
私の愛ってとっても深いんだから。簡単に逃れようだなんて思わないで?
私は絶対に、あなたを捕まえたら、どんなことがあっても逃さないんだから。
私の寮は勇気ある者が住まう寮、グリフィンドール。勇猛果敢な騎士道で、あなたを私のものにしちゃうんだから。


『ねえ、聞いてるの?セブルス、私の愛する人…』

私は隣で眠る教授にそっと囁いた。
こんな風に無防備に眠る教授を見ることができるのも、私だけかもしれない。
こんな瞬間も、私のお気に入りかも…ね…?

『きょーじゅ…だいすきよ……』

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