※長編主人公お相手。ほとんど会話のみ。
「夏と言えば…」
「“カキゴオリ”、なのだろう?あれは我輩もなかなか好きですな…」
「あ、気に入ってくれたんだ?嬉しいな♪」
「……フン」
レイの台詞に、満更でもない表情をする教授。
「(わぁ〜可愛い顔♪)えっとね、日本で夏と言えば…かき氷だけじゃないんだよ!」
「まだあるのかね?」
「うん!あのね……えっとぉ……スイカ割り、だよ!」
「…………スイカワリ…?」
意味が解らんぞ、という顔をするスネイプ。
「えっとぉ…スイカって果物なんだけど、それをそのまま地面に置いてね…こうね、目隠しをしてぇ…棒で、スイカを割るの」
「その、どこに楽しみを見出したら良いのだ?夏に行う根拠は?」
「え。そう言われても……そういうモノだしぃ……」
「………日本人はよくわからん趣味嗜好があるらしいな」
「季節を楽しむ人種って言ってほしいんだけど」
「フム。して…今回はそれをやらんのかね?」
「いやぁさすがにやらないよぉ。だってホグワーツには、海がないもんね」
「海辺で行うモノなのかね?」
「大抵ねー……でも、季節は感じたいから……はい、セブルス♪」
「これは…スイカではないか」
「あ、知ってるんだ、スイカのこと」
「果物の一種であることくらいはな。薬にもなることも知っておるぞ。実際に魔法薬学でもスイカの種を―――」
「はい仕事モードストップ〜!今は二人っきりなんだから……魔法薬学のお話はしないで……ね?お願いセブルス……」
「よ、よかろう……」
レイの上目使いにずきゅーんと来た教授。顔がにやけてますぞ、教授殿。
その後、スイカを食べることになった二人。
レイがスイカを切り分けると言ってきかず、終わるのを待っていた教授は、恋人が持ってきたスイカに目を見開いた。
「なんだこれは」
「えへっ……僕の気持ちだよ!セブルス……だいすき……」
「…………知っている」
下を向き、決して恋人と目をあわせようとしない教授の首筋が赤く染まってくる。年甲斐もなく照れているらしい。嬉しくて恥ずかしいなら正直に言えば良いものを。だからムッツリって言われるんですよ、教授!
「外野はうるさいぞ!」
「?セブルス、どうしたの?外野って…なぁに?」
「!いや…なんでもない」
「お味はどうですか〜?」
「…………………………甘い」
「そうだよね、そろそろ季節だものねぇ………あ〜おいしっ♪」
隣でスイカを頬張るレイを見ながら、教授は視線をあちこちに彷徨わせていたとかいないとか……。
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