しばらくぶりに、百貨店に買い物へ来ちゃった。
以前は、アランに案内されて、素敵なイブニングドレスとか、アクセサリーとか靴とかを一緒に選んでもらった。
アランはとてもセンスが良い。私と趣味も合うし、ね。
あの時だって、ドレスを試着する私に、熱い視線を送ってくるアランに、私は恥ずかしくてどうしようもなかった。
アラン……そんなに、見つめないで……。
真っ赤な顔で下を向いてしまう私を見て、アランが笑う。店員さんも可笑しそうだ。
そんな私を見つつ、アランが私に近寄って囁く。
「アイネ、こんな所で、そんな顔をしちゃだめだ…。すぐに、君の全てを奪いたくなる……」
「な…な…な……!」
口をパクパクさせて上手く言葉が出てこない私に、アランはとどめに一言。
「このドレスは良いね。君の華奢なカラダを引き立てる。それに…」
「そ、それに…?」
「脱がせやすそうだ……」
「!」
「君、これを貰おう……」
絶句した私にクスリと笑いかけ、アランは店員にそう言ったのだった。
そんな思い出のあるブランド店を通り過ぎる。あんなお店、私一人じゃとても入れそうもない。敷居が高すぎます……。
今日はウインドーショッピングでもしよう。そう思って売り場を漂っていたら。
素敵なお店を見つけてしまいました。
そこは、まるで女の子のベッドルームのようだった。
素敵なベッドと、化粧台。
フリルやハート、コスメの数々。そして……ベッドの上には、素敵なランジェリーが広げてあった。
真っ赤なブラに、小さなパンティ。
総レースになっていて、とても小さなつくりみたいで。大事なところがかろうじて隠れるくらいのデザインだった。それに合わせるように、傍らには、透ける素材のロング丈のスリップみたいなのもある。色はもちろん赤。
ここはランジェリーのお店みたい。
超セクシーランジェリーだった。なんだか恥ずかしい。けれど、見たいなっていう思いもあった。
アランも今いないし…。
素敵な恋人をもっとドッキリさせたいなって思いもあって…。
私は胸をときめかせながら、そのお店に入ったのだった。
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