4 シンデレラ・ナイト
し、死ぬかと思った………。
私は今、やっと解放された所だった。何から、というと「改造軍団」から。
美容室ではやたらとカマっぽい男の人に髪の毛をいじられまくり、その後にこれまた超カマっぽい男の人(その人は、「アタシはまだ男だけど…そのうち女になるのヨ」と言ってきたけど)にメイクを施され、その後にこれまた超紳士なお洒落な男性に洋服…というよりもう衣装のようなドレスを見立ててもらい、着させられた。
「「「「エクセレント!!!」」」
私の身体を綺麗に着飾らせてくれた人達が皆称賛してくれる。
嬉しいけれど…すごく恥ずかしい。
「そ、そんなに見ないでください……」
そう言うと、紳士さんは笑いながら言った。
「こんなに素敵な女性に仕上がってしまったのだから、じっくり見られても仕方ないよ。Ms,カンザキ……凄く綺麗だよ」
結構素敵な紳士さんだったから、面と向かってそんなことを言われると恥ずかしくてどうしようもない。
私は頬を真っ赤にしながら、なんとかお礼を言った。恥ずかしいけどこういうことはちゃんとしとかないとね。
「あ、ありがとうございます、Mr…」
「いや…これはこれは…………まいった。Mr,リックマンが羨ましい」
紳士さんが口元を手で覆って何かを言ったのだけど、何て言ったのか聞こえなかった。何て言ったのかしら?
「ごめんなさい、よく、聞こえなくて…。今、何て…?」
「いや、何でもないよ!さぁ、そろそろ時間だ。シンデレラ、お手をどうぞ?かぼちゃの馬車まで、私がエスコートしよう……」
微笑みながらそんな台詞を言う紳士さんが、ちょっぴりアランに重なってしまって…胸がきゅうんって鳴ったのは内緒。私、オジサマに弱いみたい……。
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