短編 *裏 | ナノ

2 遠距離すぎる恋愛



アランと恋人同士になって半年。きっと普通の恋人同士なら、毎日がイチャイチャの薔薇色の生活なんだろうけれど。
なかなか、そうもいかなかったりする。

というのは、私の恋人、アラン・リックマンは俳優だから。しかも、超有名な。
どうしてそんな有名人と私が恋人同士になれたのかは、私自身が一番解っていなかったりする。
世間体には釣り合っていないって思われているかもしれないけれど、なによりも私は彼を愛していた。だから、いわゆる年齢がどうとかそういったことは関係なかったりする。

彼への愛は誰にも負けないつもりでいる。彼の誕生日には素敵なプレゼントを贈りたいと思って頑張ってきた。お誕生日っていうのは恋人同士だったら大切なイベントのはずだし。


けれど……今彼は、ここ、イギリスにはいなかったりするのだ。
そう、彼は今、アメリカのニューヨークで舞台に出演中。しかもブロードウェイ。おまけに主演だったりする。

毎日忙しく過ごしているアランとは、満足に話も出来ていなかった。これだけ離れていると、かなり不安になってしまう。
だって…将来を誓い合ったわけではないから。不安定な今の関係に、長距離すぎる恋愛……いくら彼のことを愛していても、不安にならないはずがない。


浮気してないかしら、とか。
体調を崩してないかしら、とか。
不摂生をしていないかしら、とか。


一度気になるとどうにもこうにも止まらない。かなり不安な毎日を過ごしていたら、ある日、アランから電話が来た。
それがさっきの電話なわけで…信じられないお誘いを受けた私は、テンションMAXで荷造りを始めたのでした。


『だって…アランったらこうよ?“レイに逢えなくて狂いそうだから、私の側に来てほしい”…って可愛いッ♪』


うきうきしながら、旅行リストを作る私だった。

と、とにかく勝負下着は持っていかなくっちゃ……。


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