1 ニューヨークから愛を込めて
離れても、心が求めるから……。
アラン、だいすきよ……。
「本当に、大丈夫なの?」
私の言葉に、電話から聞こえるアランの声は嬉しそう。
「勿論!レイが来てくれるのは願ってもないよ。凄く…嬉しい……」
「アラン…」
アランの声に、胸がきゅうんと高鳴る。そんな声で言うから……私のこの胸のときめきは止まらない。
「ああ…早くにレイ逢いたいよ。君のその可愛らしいあんなところとかそんなところとかだってもうずっと――」
「ア、 アランのバカッ!電話でそんなこと言わないでよぉ〜」
「フフ……電話じゃなきゃいいのかい?」
「もう……ばか…」
アランってば、自分の声が凄くセクシーだってことを解っているのかしら?私にそんなことを言うとね、疼いて堪らないじゃない……。
アランのバカ……。
「じゃあ…そろそろ電話を切るよ?君に逢える日を、楽しみにしてるから」
「私もよ。愛してるわ…アラン…」
「私も、レイを愛してる……。ね、レイ、受話器に耳をしっかり当てていてくれないか?」
「?どういうこと?アラン」
「いいからやってみて……」
どういう意味かわからないけど、アランがしろって言うんだっだら……そう思って、少し離していた受話器をしっかりと耳に近づける。すると―――、
「レイ、君にキスを送るよ……ニューヨークから愛を込めて……CHU☆」
「きゃっ…もぉ〜っ!アランったらなんてことするのよぉ!」
「ははっ!お休み私の天使……」
アランは甘い声でそう囁くと、電話を切ってしまった。頬を真っ赤に染める私を置き去りにして。
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