5 セブルスと初デート?
「ホッホッホ〜……セブルスと一緒の寮になったのがそんなに嬉しいのかのぅ」
ダンブルドア校長が髭を揺らして笑ってきた。
私は笑顔で何度もうなづく。
「当然です!ありがと…組み分け帽子さん♪」
私がそう言うと、組み分け帽子はクシャクシャになった。あれ…ひょっとしたら笑ってるのかしら…?
「……制服や杖はどうしたら?」
教授が冷静な声でそう言ってきた。ぶぅ〜!教授からのリアクションはない訳?組み分け帽子さんみたいに笑えとは言わないケド、もうちょっと反応してくれてもいいじゃん…なんて思って教授の方を見たら。
彼の顔色が良くなっていました。
か、可愛い………。やばいどうしようキュンキュンするんですけどッ!
学生時代の教授はなんか凄く恰好良かった。モロ、私の好みって感じ。
いや、大人の教授なんてもっと恰好良いけれど…でもほら!子供時代の彼の映像とかほとんどないじゃんか。だから猶更そう思うのかもしれないよね。
「シズノや…それで良いかのぅ?」
へ?校長ってば何が良いの?
「良いって…何が、ですか?」
思わず聞き返した私に、教授から盛大な溜息が。
「人の話を聞け。お前の杖と制服をこれから買いに行くと言っているんだ」
「校長先生と?」
教授に聞き返したら、彼は何故かあさっての方向を見つつ、言ってきた。
「…僕と、だ。嫌なら一人で行け」
嘘!ホントにホント?!
「行きたいスネイプ君と一緒に行きたい絶対に行きたい!」
ぴょんぴょんとその場で跳ねながら気持ちをアピールすることにする。
なにそれ嬉しすぎるんですけどッ
「解ったから落ち着け……」
「無理!」
うわーん嬉しいよぉ…。私は思わず教授に抱きついてしまった。
「行こう行こう今すぐ行こうただちに行こう!」
「く、苦しい……」
「ホッホッホ」
校長先生が笑いながら私に何かを手渡してきた。
何だろう、コレ?
「グリンゴッツ銀行の鍵じゃ。シズノのモノじゃよ。まずはそこへセブルスと一緒に行ってお金を下して来なさい。買い物リストはこれじゃ」
紙切れも一緒に渡された。
「日用品も買うのじゃよ?しばらくはここで生活するのじゃからな!」
ここの暖炉を使うと良いじゃろう、と言うと、校長先生はニッコリとウィンクをしてきた。
「デートを楽しむのじゃよ☆」
「なっ…!!」
教授の声が慌ててていたみたい。けど……デートか。デート…ねぇ……。
私は教授の手を掴んだ。
「じゃあ、行きましょうか?ダーリン…」
「誰がダーリンだッ!」
教授が怒ってきたけど、そんな、顔を赤くして言われても全然怖くないもんね。
私は、暖炉を見つめる。
嘘みたい…。夢にまで見た経験が出来るのね。煙突からダイアゴン横丁へひとっ飛びなんて。
教授がフルーパウダーを一掴みすると私に押し付けてきた。
「これを暖炉に入れろ。発音を間違えるなよ?行先は“ダイアゴン横丁”だ」
私は教授からフルーパウダーを受け取るとうなづく。
「うん、わかってる!ダイアゴン横丁だよね!じゃーいくよ…ッ………ダイガゴン…あ、間違っちゃった…ッ」
「馬鹿か…ッ」
教授の驚いた顔が見えたとたん、空間が歪むのがわかった。
わー!どうしよう……。
(大丈夫じゃ。セブルスよ…探しにいっておあげ)
(はぁ……わかりました校長先生…)
(H23,07,28)