「肝試し…」
「へ?なつ?どうした?」
「海里…私達で、その侵入者驚かして、誘導すればどう?」
「確かに…それいいかもね!どうかしら、皆?」

なつの提案に賛同した海里が他の皆に視線を向けると、皆それしかないと思ったのか、頷いていた。

「それじゃ、それぞれ適当に配置についてくださいね〜!私が誘導しますから…」
「ちょっ?!綾っち!」

杏が止める間もなく、綾子は勢いよく外へと飛び出していった。

「大丈夫なのかしらあれ?」
「まぁ、なんとかなるでしょ…とりあえず、綾っちが侵入者と接触して時間稼ぎをしてる間に、
誘導できるように持ち場を考えないとね…亜梨ちゃん、どうする?」
「そうだね…まず、綾ちゃんはおそらくこっちに向かって誘導してくるだろうから…」
「え?なんで亜梨ちゃん?」

てっきり、出口へと向かって誘導するものだと思ってた琉紅は、
結界の中の中心に位置するここへ綾子が誘導してくるという亜梨馬の意見に疑問をいだいた。

「あからさまに出口へ誘っても、万が一敵対する侵入者なら、裏を読まれてややこしくなります…
だけど、むしろ奥へ誘導するのがだんだん理解できてきたら、敵陣の中心に誘導されてるなんて、
怖くて無意識にでも出口に向かいたくなるじゃないですか?その心理を利用するのかと…」
「なるほど…琉紅ちゃんと一緒で、私もなんで?って思ったけど、璃尾狐ちゃんにそう言われるとそうだね…」
「うん…すごいね!」

亜梨馬の代わりに説明をした璃尾狐に、なつが感心したようにつぶやくと、琉紅と顔を見舞わせた。

「ただ、あの人のことなんで…」
「多分、確実にここに連れてくるな…」

はじめは、作戦かと思いきや、その場のお思いつきやノリで動く綾子を知ってるからゆえか、
杏と亜梨馬の発言に、全員同じように一緒に軽くため息をついた。

「まぁ、下手に外に誘導するより、ここに誘い込めば、話ができるだろうし…
とりあえず、配置はどうする?それだけでも考えておこうか…」
「そうだね…亜梨ちゃんには、ここを守ってもらうとして…」

杏は、いつの間にか用意していた周辺の図をもとに、配置を指示していった。



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