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Ep.6 真実の扉




残りの魔導士はなつちゃんを入れてあと3人…
私の立てた仮説はなつちゃんの段階でかなり怪しいものになってしまった




海里「え〜っと、はじめましてかな?私、榊城海里です!魔導士同士、よろしくお願いします!」

麻菜「ああ、こっちこそ、これからよろしくな」

綾子「一緒に梅流ちゃんやミリィちゃんの助けになって行きましょう!」

幻鬼『あれ?綾子、俺は…?』

杏「あ、こっちのトカゲっぽいのは幻鬼だよ。私と綾ちゃんの使い魔」

幻鬼『トカゲじゃねえええええ!!』


まずは海里ちゃんと亜梨姉達とが軽く挨拶をする
そしてお互いに情報を交換し合った
その中には私の知らない情報もあった

まず、フィクシドスターの数だけど、その数は正確には解らないという
12星座の恒星が元になっているからてっきり、12個かと思ったらそうじゃないみたい
確かに恒星の名前は使っているけど星座を構築する恒星はひとつじゃないからだ
例えば獅子座
獅子座はレグルスとデネボラが主な恒星だ
際立つのがこの二つってだけで、実際にもっと沢山の恒星から成っている
だから12星座だから12個って訳じゃないみたい


それから“使い魔”について
ミリィ達のことは正確にはそう呼ぶみたい
魔導士達に忠誠を誓った聖獣達で、私たちのサポートをしてくれる
1匹の使い魔が仕えることが出来る魔導士は2人と決まっていて、その魔導士は契約を結ぶことになる
契約はチャームを使って変身し、魔導士の力を使うこと
変身を断る、若しくは変身が出来なかった時点で契約は破棄され一切の記憶を消されるんだって


そして、“アルギュロス”の存在…
フィクシドスターの封印を解いた妖怪達の俗称だ
複数犯で組織として動いているみたい
窃盗団みたいな感じかな?
末端すら相当の手練らしく、頭となれば見当もつかないらしい
その一員である青年が先日会った銀来
カルア曰く、“妖力は強いが基本的に間抜け”みたい…
そこを狙えばなんとかなりそうだね


梅流「もう1人の使い魔の名前って?」

カルア『確か――“希咲”っていう猫型の女の子だよ。ミリィとは顔馴染みなの』


猫型の女の子、か
仲良くなれるかな?
それにしても使い魔って色んな形態の子がいるんだね〜…


麻那「しかし…その“銀来”って奴には要注意だな」

綾子「今の所、唯一のアルギュロスですからね…」

幻鬼『アルギュロスの者が操るフィクシドスターは、通常の何倍もの力を持っている』

杏「恐らく、直接妖力を送り込んでるんだと思う。厄介な相手だね…」


フィクシドスターを求めているのは私たちだけじゃなくて、アルギュロスも同じ…
尤も、目的はまるで違うけど…


麻菜「きっと、他にもアルギュロスのメンバーがいる」

梅流「銀来を末端として考えるなら…上の者も、こちらに気付いてる可能性が高いね」


私たちはしばらくどうするかを話し合った
とりあえず、二手に分かれることにした
アルギュロスについて調査する組と新しい魔導士を探す組

亜梨姉と杏はアルギュロスについて、私と海里ちゃんと綾ちゃんは魔導士を探すことになった


梅流「それじゃあ、何か手掛かりがつかめたら連絡し合うってことで!」

杏「おっけー!」


そう言って私たちは別れた――――――…












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海里「まずは私がなつに連絡とってみるね」

梅流「うん、お願い」


とりあえず、なつちゃんと会わなくちゃ
それでお互い今後のことを話し合えたら、と…


綾子「なつちゃんってどんな子でしょうね?」

梅流「私も直接は会ったことなくって…」


でも、海里ちゃんのお友達だもん、いい子だよ!


海里「あ、なつ?今だいじょうぶ…え?あわわわ、そうなの?ごめん…!」


海里ちゃんが電話越しに謝っている声が聞こえる
そういえば塾に通ってるって言ってたし…もしかして今取り込み中なのかも


海里「ごめーん、梅流ちゃん、綾ちゃん…なつ今無理みたいで…」

綾子「いえ、そちらにも都合があるでしょうし…」

梅流「そうそう、仕方ないよ。また別の日にしようよ」



その時、――――不意に、妖気を感じた
途端、街は閉鎖空間に変わる
これは…フィクシドスターだけの気配じゃない…!!




「もう1人の魔導士は来れないのか?好都合だな」




あの時と同じ声――そちらに目をやると、銀来がいた


「「「銀来!!」」」


一斉にチャームを構えて叫んだ


梅流「エネルゲイア・ローズクォーツ!!」

綾子「エネルゲイア・エメラルド!!」

しの「エネルゲイア ・トルマリン!!」


銀来「何人来ようと同じことだ…お前達じゃ、私達には勝てない」


銀来がパチンと指を鳴らす
すると、彼の後ろからフィクシドスターが現れる
やっぱり、妖力を直接送り込んでいるみたい…
大きさが段違いだった
今度は――蟹座のフィクシドスターのようだ


銀来「――行け、アクベンス」


アクベンスは巨大な鋏を振り下ろす
それだけで地響きが起き、地面が裂ける
アルレシャの時よりも強くなっている…
元々強いフィクシドスターだったのか、銀来の妖力が強くなっているのか…
前者はともかく、後者なら――まずい


崇樹「リーフ・バインド!」


崇樹ちゃんがアクベンスの鋏を絡めとる
鋏の動きは封じられたけど…アクベンスにはまだ武器が残っていた
口から泡を吐き出し、視界が見えづらくなる


海里「スカイ・トルネード!!」


海里ちゃんの風が泡を巻き取る
けど、一瞬の隙を突かれた私の背後には――銀来が立っていた


銀来「――悪く思うな。これも命令なんでな…」


逃げようとしたけど、何故か身体が動かない
これが、銀来の能力…!?


「「瑪瑠!!」」







「エネルゲイア・トパーズ!!」


目映い光が辺りを包む


銀来「ぐ…ッ!!」


銀来の妖力が弱まる
どうやら変身する時の光にも聖の力があるようだ
でも、これで自由に動けるようになった
私の目の前に降り立ったのは、白髪の女の子――



なつ「第六魔導士“妖猫なつ”!只今参上です!」


なつちゃんは私の方を見てウインクをする





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