6-2




海里「なつ!」

海里ちゃんが嬉しそうな声を上げた
なつちゃんの登場によって、アクベンスも動きが鈍ったようだった


崇樹「一気に畳みかけますよ!!」


崇樹ちゃんがグイッとリーフ・バインドを引っ張るとアクベンスの鋏が千切れ、ボトリと地面へと落ちた
アクベンスは武器が無くなったことに焦ったようだったが、まだ彼には武器が残っている
泡を猛噴射し、こちらに向かって来る


海里「そんなことしたって…無駄だよ!!」


海里ちゃんが風を操り、泡諸共アクベンスを宙へと持ち上げる
空中なら、上手く動くことも出来ないだろう



瑪瑠「セント・リングアロー!!」

なつ「ライト・ブレイク!!」



光の矢と砲撃がアクベンスへと向かう
一気に身体を貫き――――アクベンスは、光となって消えた



瑪瑠「これで、残ってるのはあなただけよ!」

なつ「まだ抵抗するっていうの?」

崇樹「大人しくしておいたほうが…身の為ですよ?」

海里「崇樹…笑顔なのに怖い…」


銀来は小さく舌打ちをする



崇樹「今回は逃がしませんよ。あなた達のことを洗いざらい吐いてもらいますから♪」

なつ「それに、あなたってアルギュロスの中でも末端の人なんでしょ?」

銀来「な…ッ!?誰が末端だ!これでも一応、“四天王”の1人で…あ"」

「「「あ」」」





しばらく、沈黙が流れる
沈黙を破ったのは崇樹ちゃん(の毒舌)だった





崇樹「どっちにしろ、間抜けじゃないですか♪」




海里「じゃ、さっさと洗いざらい吐いてもら――」


海里ちゃんがそう言った時だった
どこかから赤い閃光がこちらへと向かって来た


瑪瑠「きゃっ!?」


少し間を置いて閃光が走った箇所が爆発をする
土埃と砂利が舞い、視界が塞がれる


なつ「げほ…ッ!銀来は!?」

崇樹「今の爆発で、逃げられたみたいですね」

海里「く…ッ!あれも、アルギュロスって奴らの手下なのかしら…?」

瑪瑠「でも…今ので重要なことがわかったね」


みんなで目配せして頷き合う
アルギュロスには四天王と呼ばれる者達がいる
そして、銀来はその中の1人だという事がわかった




海里「でも…銀来って本当に末端だったんだね」

崇樹「早い話が雑k…」

瑪瑠「ま、待って、そこまで言っちゃ可哀想!」


私は慌てて崇樹を止めた
敵だけど…なんか可哀想だったので…



変身を解いて、しばらくなつちゃんも交えての雑談タイムに入る


海里「あのね、なつってば、海波とデート中だったんだよ?」

夏香「ちょ…ッ!デートじゃないってば〜〜!」


海里ちゃんが楽しそうにそう言うとなつちゃんは真っ赤になって慌てた
“海波”くんは海里ちゃんの双子さん
いいなぁ…私も、いつかは南野くんと…って、何考えてるんだろ私!?


綾子「まったくもう…梅流ちゃんも海里ちゃんも、好きな人がいるくせに★」

海里「ふぇえええつ!!?」

梅流「あわわわわ、綾ちゃんっ!!?」

綾子「照れない照れない♪」



照れるなってほうが無理だよ〜〜!!



綾子「まぁ…私には、杏ちゃんがいますけど…」

梅流「綾…ちゃん…?」





自分たちの大切な人を守る為にも――――
この戦いを続けなければいけない

早く、魔導士全てを見つけなくっちゃ――――――






残りの魔導士は…あと2人





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