第12章 解けないパズル



幽助の前に、一人の少女が立っていた
両刃同様、獣の耳と尾が生えている




“裟羅”と呼ばれた少女の顔には笑みが浮かんでいた







「裟羅・・・」

「お久しぶり。元気にしてた?」




裟羅は幽助を見据えながらいけしゃあしゃあと口を開く
その様子に幽助は大きく溜め息を吐いた




「お前なぁ、元気に見えるのかよ、これが。人がどんだけ苦労してると思ってんだ?」

「あら、苦労してるのはあのお狐様じゃないの?」

「…ってかお前は何がしたいんだよ?そんでオレ達が何したってんだ?」



その幽助の問い掛けに今度は裟羅が溜め息を吐いた


そして腕組みを解き、幽助の足を払った



「ッ!」


その予想外の動きに怯んだ幽助は思わず前のめりに倒れそうになる
寸での所で地面に両手をつき、なんとか地面に倒れることだけは避けられた




その状態で裟羅のほうを睨みつける



腰に手を当て、仁王立ちしている裟羅が自身を見下ろし、鼻で笑った




裟羅が腰を屈め、幽助の黒い髪を掴み自分の方へと向けさせる


「…ッぅ…!」

「どうかしら?気分は」

「…ッ最悪だ…」




幽助ののけ反った白い喉元に裟羅が爪を立て、血を滲ませる
細い筋を作り流れ出る血を舌で舐めとると、さも楽しそうにクスクスと笑った




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