一方、幽助は深い森の中を走っていた





飛影のおかげで、今自分が探している人物の居場所がわかった
そして彼は、ここからは誰の力も借りないつもりだった



先を急ぐ彼の前には度々妖力の低い妖怪達が現れたが、それを片っ端から蹴散らしていく
幽助の走った跡には、大中小様々な妖怪の屍が転がっていた




そうこうしている内に段々と飛影に探してもらった場所に近付いて行った
五感を研ぎ澄ませる
案の定、何の気配も物音もひとつしない


幽助は小さく舌打ちすると、立ち止まった
そして、大きく息を吸い込み、叫んだ







「裟羅(サラ)ッ!!!!」






周りの木々がザワザワと風に揺られる音と遠くで落雷の音がするだけで、返事は無かった




「裟羅ッ!いるんだろ?出て来いよ!お前に話があるんだ!!」





もう一度そう叫ぶと今まで肌に感じていた空気が変わった
そこだけ温度が急激に下がったみたいに、冷たくなる



幽助は辺りを見回した



だが、近くにいる事は感知出来てもその姿を視界に捕らえる事が出来ない




「・・・出て来ないなら、この辺一帯焼き尽くすぞ」


「それはやめて欲しいわね」





背後から声が聞こえ、慌てて振り返るとそこには金髪の少女が腕組みをして立っていた







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