(´Д`)ダブン (・ω・`)モエ
(゚∀゚)ビーエル ( ^^)ノバトン

2012/02/19 23:42




「今日の夕食は豪華よ、貴女の好きな物いっぱい作るからねっ!欲しいって言ってたプレゼントも買ったし、バッチリよ!!」



"だから、もう少し待っててね"

その台詞は、いつ聞いたものだっただろう
柔い声色は、もう随分と遠くて思い出せやしない



「いただきます」



一人きりの食卓で、両手を合わせて小さく呟く
声を返してくれる人も、食事を共にする人も居ない

別に、一人ぼっちは慣れている
寂しいなんて感じた事はないし、強がりでもなんでもなく、一人の方が気が楽でいい

モソモソと、大好きだったハンバーグを口にする
自分で作ったものだけど、結構良い味付けだ

私は、これだけで満たされてる



「それは、本当に?」



私以外に誰も居ない、リビングのどこからか、声がした気がする

何だか、私の声だった様にも思う



「ねぇ、嘘でしょ?」



再度、声が問い掛ける

ああ、ほら、やっぱり



「うん、嘘だよ」



自問自答で返事をする
鼻の奥がツンとした

最初から嘘だって、自分が一番解ってる


本当は

慣れっこないよ、寂しいよ、強がりだよ、心が重いよ


私が大好きだからと、貴女がよく作ってくれたハンバーグが食べたい

ねぇ、自分で作ったら、いっつもしょっぱくなっちゃうんだよ
味付けは、貴女が教えてくれた通りにやってるのに
大好きなものなのに、自分じゃろくに作れないの

また最初から教えてよ、今度はしっかり覚えるからさ
それでまた、一緒にご飯作ろうよ

今度は、もっと…――






「…今度なんて、ないじゃない」



だって、貴女はもう此処にいない



「…豪華よって、私の好きな物沢山作るって言ってたのに」



嘘吐き、嘘吐き



「…もうちょっと、って…いつまで待てば良いの」



還って来ない貴女を、いつまで待てば良いと言うの



一滴の水が零れ落ちる
それでも、傍に貴女は居ない

二滴、三滴、続けて落ちる
それでも、貴女は還って来ない


もう、我が儘言わないから
もう、困らせたりしないから
もう、傷付けたりしないから

豪華な料理も要らない、プレゼントだって要らない

だから、だから、

帰って来て
傍にいて…――



願って願って、目を開いても、そこに居るのは一人きりの私で

悲しくて虚しくてどうしようもなくて、机の上の物を全てひっくり返して噎び泣いた





アンハッピーバースデー
(一人ぼっちの私へ
 ハッピーバースデー)



――――――――――――――――――

題名とかも付けてみた

一応、母子設定。お母さん交通事故で亡くなった感じです

短編に載せる程のもんじゃないような気がしたんで駄文行きです




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