リボーン複数主 | ナノ


▼ 予告

野球大会の次の日、くるみは制服を着て学校の応接室にいた。
言わずもがな、幼なじみの手伝いの為である。幼なじみから渡された書類を黙々と片付けていく手際は慣れたもので、1時間足らずで半分までに減っていた。
一度集中が途切れたくるみは残りの分に目をやって、もうひと頑張り!とやる気を入れ直し、書類に目を向けようとした。

「!ぁ………」
「…………はぁ…」

ピピピ、と一定の間隔で鳴る電子音にくるみだけでなくヒバリも手を止めた。マナーモードにし忘れたと気づき恐る恐るヒバリを見れば、呆れたように溜め息をついただけだった。それを見たくるみはちょっと出てくるね!と光の速さで携帯を持ち、応接室を出た。

「もしもし!」
「お!くるみか?」
「た、武くん!?」

画面を見ずに出たくるみは思わぬ人物からの連絡に驚いた。クラスが同じになった時、教えてはいたが直接会って話すことで連絡をした事がなかったのだ。
吃りつつ、一体どうしたのか聞けば、今から皆で遊びに行くからいっしょにどうかというものだった。誘いに喜んだが、すぐにあれ?と疑問に思う。

「武くん、補習って言ってなかった?」
「あ〜…今日はこっち優先で!」

くるみの指摘に言葉を濁した山本の言葉を聞いて、思わず苦笑いを零す。
幼なじみが知ったら大変なことになりそうだと思い、しかも今日は幼なじみの手伝いがあるので誤魔化す為にも行けないだろう。似たようなことを言って断った。

「ごめんね。」
「いや!急だったもんな。それじゃあ、また今度!どっか行こーぜ!」
「うん!絶対行こうね!」

通話を終了して、画面に映る日付を見てハッとする。

「そっか。今日が…」

思い返せば、今日は日曜日、そして山本が補習ということはツナも補習ということで、それをサボって遊びに行くと言っていたのできっとそうなのだろう。くるみは無意識に窓から空を見上げた。

「今度は、ちゃんと守れるといいな…」

ポツリと呟いて、くるみは応接室に戻った。





ヴァリアー編へつづく

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