リボーン複数主 | ナノ


▼ 予告

夏休みも終わり、始業式からすぐに始まった授業を終え、由良は薙刀を持って商店街を歩いていた。
薙刀の道場は商店街を通った方が近いのだ。
夏祭りの一件でヒバリやくるみが自分よりも高い身体能力、戦闘能力を持っていることを知り、もっと鍛えなければと思った由良は毎日のように道場に通っていた。

「由良姉!」
「!フゥ太くん。」

そんな由良に声をかけたのはフゥ太で、パタパタと駆け寄ってきたフゥ太にこんにちはと挨拶をし、目線を合わせるようにしゃがむ。周りにはツナもツナの母親である奈々もおらず、1人?と聞けばそうだと返ってくる。

「京子姉たちとケーキ屋に行く約束してて、そこで美味しいケーキを教えてあげるんだ。だからランキングしようと思って。」
「そっか。送っていこうか?」

今は夕暮れ時で、もうそろそろ日が暮れ、辺りは暗くなる。幼いフゥ太に何かあればと心配した由良が聞けばもう帰るところだから大丈夫!と返ってきた。
フゥ太はこれまでも1人で色んな所に行っており、しっかり日が暮れる前に帰ってくることを知っていた由良は大丈夫そうだと判断し、そっかと答えて立ち上がる。

「ごめんね、これから練習に行かないといけなくて…」
「ヘーキだよ!僕ちゃんと帰れるから!」
「それなら安心だね。」

胸を張って言うフゥ太に微笑んだ由良はバイバイと手を振ってフゥ太と別れ、フゥ太が帰る方向とは反対方向にある道場へ急いだ。

「……………。」

ふと、胸の辺りがざわついて、振り返る。
フゥ太の後ろ姿と、商店街で買い物をする客や下校中の学生らが歩いているいつもの商店街だ。

「気のせいか…」

呟いた由良は今度は振り返ることなく道場に向けて足を進めた。
そんな彼女の後ろ姿を赤と青の目がじっと見つめていた。



黒曜編へつづく

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