しゅごキャラ夢小説 | ナノ

3話


「あなたのうしろに、守護霊がいます!」


私も少し手伝って作った夕飯のミートソースを食べながら、みんなでテレビを見ていると、そんな言葉が聞こえてきた。話していたのは今話題沸騰中の、占い師である冴木のぶ子さんだ。この人、顔がインパクトあるのに更にアップで言ってるから、すごい圧迫感じる。ミートソース美味しい、さすがお母さん。

ちらりとあむを見れば、少し怖気づいているように見える。怖い話とか苦手だもんね、あむ。とはいえ、冴木のぶ子さんのことをインチキ云々と言っているあたり、あまり怖がっている様子ではないみたい。インチキに反応したのはお母さんだけど、更に話を聞いていなかったお父さんが、普通に自分が撮ったあむの写真を持ってくる。なんというカオス。


「こえー、おばけこえー。」


そんな中、隣から物騒な言葉が聞こえてきた。私の隣は、7歳下の妹、あみだ。いつの間にそんなに言葉遣いを覚えて、と思ったけど、確か最近見始めたアニメのちょっと小生意気な男の子のキャラクターが似たような言葉遣いをしていた気がする。あれくらいの年頃なら仕方ないにしても、あみはまだ3歳だし、何より女の子なんだから、こえーというよりも怖いと言ってほしい。そう思っていたのは私だけじゃないらしく、お母さんから注意されていた。


「おねいちゃん!あのオバケ倒して!」

「あみ、あの人はオバケじゃなくて人間。ちょっと顔が大きく見えるだけだよ。」

「あめも割と言うよね…」


あむに抱きつき怖がるあみに諭すように言えば、あむにそんなことを言われた。失礼な。聞こえていないんだから、何を言おうと私の勝手。それに、説明は省いたけど、アップで映してるからってちゃんと分かってるし。そうやって姉妹で会話をしていると、テレビでもどんどん話は進んでいく。


「あなたに言っているんですよ。」

「っ!」


バカだと言っていたあむが急に立ち上がった。かと思えば、すかさず守護霊はダメな人がすがるものだとか、私は信じないとか言って自分の部屋に行ってしまった。両親はカッコいいと言って、あみはあまり分かっていない様子だったけど、夕飯の残り方を見れば分かる。あむ、怖くなっちゃったんだ。たぶん今頃、怖くなって1人でわーわー騒いでるんだろうな。まだ誰も食べ終わってなかったし。

きっと、今日はお風呂で髪が洗えないと言っているであろうあむに、あとで一緒にお風呂に入ろうと誘わないと。私達は一番風呂に私が入り、その後にあむ、両親の内あみに選ばれた方があみと入り、最後に選ばれなかった1人が入る。という順番で入っていくから、次に入るあむに声をかけに行ってから、ちゃんとお風呂に行けるまで、どれだけの時間を要するか分からないし、その後も異様に早かったり遅かったりしたらあむも不思議がられてしまう。だから、あむを守るためにも、私がこういったオカルト系の話に怖がって、あむと一緒に入るという状態を作らないといけない。あむと違って、私はオカルト系の話は全く信用できないし、バカにしているけど。見えないもん信じたところでって感じだから。


「あむ、お風呂一緒に入らない?さっきのテレビ、少し怖かったの。」

「あめ…うん。分かった。」


夕飯も食べ終わり、あむの部屋にノックして入り、安心させるように言えば、すんなりと頷いてくれた。準備するから待ってというあむに、焦らないでと伝えつつ、今日も疲れるな、と内心ため息をついた。

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