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緩む頬、ときめく日曜日
朝起きて1番に見たものが愛しの彼女だったら、その日はとても幸せな1日になるだろう。それがベッドの中で、なんてシチュエーションだったら特にだ。たくさん愛した夜のあと、愛を囁いて眠りについて、起きたらにっこり微笑んで「おはよう」と言われたら頬は緩み、また愛したくなる。





「ダイゴー起きてー朝だよー」

…ボクの理想とする朝とはかけ離れた朝。先にnameちゃんが起きてボクを起こすなんて、まぁこれはこれで嬉しいけど。これで優しくキスをして起こしてくれたら最高だ。

「起きないとちゅーしちゃうぞー」

ななななんだって!?じゃあ意地でも起きるもんか!
nameちゃんからキスをしてくれるのは1週間に1回あるかどうか。何でそんなに少ないかっていうといつもボクからキスするから。彼女からキスする必要がないくらいにね。
さぁnameちゃん、なかなか起きないボクをどんなキスで起こしてくれるのかな?触れるだけのキス?ちゅって音をたてるキス?それとも、舌を使ったべろちゅー?どんなキスでも嬉しいけどボクとしてはべろちゅーが1番嬉し「ふがっ!」は、鼻で息ができない!苦しい!なにしてんのnameちゃん!なんでボクの鼻をつまんでるの!?

「日曜だからって…起きないと…」
「んむー!」

口でも息ができない!唇には柔らかい感触…恐らくキスをしてくれてるんだろうけど、鼻でも口でも息ができない!つまりは窒息しそうってこと!

「ぷはぁぁっ!」

どうにかnameちゃんをボクから剥がすことができた。ようやく酸素を取り入れられる。キスはキスでもこのキスは斜め上の発想だ。はー死ぬかと思った。

「なにすんのnameちゃん!?」
「いやーなかなか起きないなーと思って」
「だからってこれはひどすぎないかい!?」
「起きないとちゅーしちゃうぞーって言った通りちゅーしただけー」
「普通にちゅーしてよ普通に!」
「はいはい」

頬に柔らかくて温かい唇が触れた。ボクの唇にちゅーしてくれるのではなくほっぺにちゅー…。これも考えてなかったけど、離れた後も残るnameちゃんの唇の感触。普通のって言ったけど、普通のキスよりも幸せかもしれない。

「これで起きてくれる?」
「………」

その感触を逃したくなくて頬を手で押さえる。ボクの間抜けた顔を捉えるnameちゃんの宝石のような瞳。吸い込まれそうだ。

「朝ごはんできてるからねー」って寝室を出ていったnameちゃん。もうすでに顔を洗って着替え終わってるようだ。可愛い秋物のワンピース。あぁスカートの中が見えそう…。

彼女の言う通りそろそろ起きようか。理想的な朝じゃなくてもこうやって頬にちゅーしてくれたから幸せだ。キッチンに行ったら後ろからぎゅーって抱き締めてあげよう。



緩む頬、ときめく日曜日

(いきなり後ろから抱きつかないで!)
(鼻つまんでキスされた仕返しー)
(ちょっ、どさくさに紛れて胸揉むなー!)
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