大好きなキミを輝かせたい
キリ番企画「アテンション!甘すぎる恋」の続きです。
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イルミネーションで有名なホウエンの街と言ったら、カナズミシティ・キンセツシティ・ミナモシティ。
特にキンセツシティはジムリーダーのテッセンさんが協力しているからかなり大がかりなものだ。前に見たことがあるけど結構派手だったなぁ。
カナズミシティのイルミネーションは子どものころから見ているから見飽きた…と言ったら語弊が生じるけど、もういいやって感じ。色んな色があってキレイなんだけどね。
ホウエンに来て初めてのクリスマスを迎えるnameちゃんと一緒に、他の派手な2つと違って青と白を基調にした幻想的なイルミネーションを飾っているミナモシティに行こうと思ってたのに、人ごみが嫌い・ゆっくり落ち着いて見られないって言うから、今年はボクの家でささやかなホームクリスマスパーティをすることになった。
まぁイルミネーションはクリスマスを過ぎてもちょっとの間だけ飾っているから、落ち着いた頃に一緒に行きたいな。
その代わり、nameちゃんにはコスプレをしてもらうって約束をしてもらった。彼女のワガママを聞く代わりにボクのワガママを聞いてもらうってことになるね。
今、その衣装に着替えるためにシャワー室に行ってるんだ。どんな感じになるのかな?布が少なめな可愛いサンタさんの衣装にしたんだけど…すごく楽しみだよ。
「こんなに短いって聞いてない!」
ミニスカを少しでも伸ばそうと、裾をぎゅーっと伸ばしながらボクの目の前に現れたサンタさん。スカートから伸びる脚がなんとも言えない。うんうん、いいカンジ。
「舐め回すように見ないでよね」
「そんな格好を普通の目で見れるワケないだろう?」
どんな格好かと言うと、一般的にサンタクロースの格好と言われている赤い服のミニスカート版ってとこかな。あとは、襟元がざっくり空いてて鎖骨が丸見え。そして前屈みになったら谷間が。
「ふふっ。こっちにおいで、サンタさん?」
ぽんぽんとソファーを叩いて、ボクの隣に座るように誘った。一瞬戸惑いの色を見せたけど、恥ずかしそうな顔をしてちょこんと隣に座った。
「ボク、nameちゃんの太もも好き」
って、太ももを少しだけ摩ってみたら、身を少しだけ捩らせて反応した。んー、いい反応。本当はこの場で舐めたいくらいなんだけど、それは夜が深まってからのお楽しみだね。
「は、早くシャンパン飲もうよ…」
「ふふ、そうだね」
『クリスマスに飲もうと買ったらファンのレディが同じ物をプレゼントしてくれたから、私が買った方をあげるよ』とミクリからもらったシャンパンの栓を開ける。ミクリはやっぱりモテるなぁ。自腹で買った方をプレゼントするところがファン思いだ。
グラスに注がれるのはゴールドに輝くシャンパン。この高貴な色がクリスマスにはピッタリだね。
「それじゃ、乾杯しようか」
カンパイと、カチンとグラスを当てて、一口シャンパンを飲む。あーこれはなかなか美味しいな。さすがミクリだ。
nameちゃんはあまりお酒を飲まない人だけど「甘くて美味しい」と、このシャンパンを気に入ったようだ。
ボクたちで一緒に作ったの手作りの料理とかいろいろ味わってたんだけど、途中からnameちゃんのお酒のペースが早くなって来た。お酒は甘いものほど酔いやすいって言うけど、このnameちゃんを見たらその通りだなって思うな。だって、なんだかいつも以上にはしゃいでるから。
「nameちゃん?大丈夫?」
「大丈夫大丈夫!ちょっとテンションが上がってるだけー」
いつも以上にニコニコしてて顔がほんのり赤くて、これが酔っていない状態と言えるだろうか。
「ねぇダイゴー」
「ん?なんだい?」
酔ってるnameちゃんは感情の起伏がいつもより激しいから、あまり機嫌を損ねないようにしないと…。
「これ美味しいよ!あーんして?」
ぐいぐいと押し付けてくるのは、クリームやフルーツが乗ってるクラッカー。まさか、あーんをしてくれるとは思っていなかったボクはちょっとドギマギしたけどあーんしてもらった。クリームとフルーツってやっぱり美味しい組み合わせだ。それにnameちゃんにあーんをしてもらったからさらに美味しくなってる。
「どう?美味しい?」
「うん、美味しいよ」
「ふふふー」
ホントに酔ってるnameちゃんはニコニコしてるなー。そこが可愛いんだけどね。
「こうやってダイゴと2人っきりのクリスマスっていいなー」
「うん?」
「だって、クリスマスだよ?やっぱり好きな人と2人っきりでいたいもん。誰にも邪魔されない2人だけで…。ダイゴ、大好き」
ボクの首に腕を回した。いつもあまりnameちゃんから抱き締めてくれないからなんだか新鮮だ。nameちゃんからの愛を受け止めるために腕を背中に回して抱き締めた。2人だけの空間。誰にも邪魔されない空間で、静かに抱き合うボクたち。
よし、今ならこのプレゼントを渡せる。
「nameちゃん、手を出して」
「え?」
nameちゃんを離して、キレイな左手を取り、小指にピンクゴールドのピンキーリングをはめた。うん、ボクの思った通りのサイズだ。
「幸せってね、右の小指から入ってきて左手の小指から出ていくんだって。だからこのピンキーリングで小指から幸せが逃げないように」
小指のピンキーリングを見つめて呆然としているnameちゃん。その様子が可愛くてぽんぽんと頭を撫でてあげた。
「さっきnameちゃんはボクのこと大好きって言ったけど、僕はnameちゃんのこと愛してる」
言葉だけじゃなくて、キスをして愛してると伝える。クリスマスのキスはシャンパンの味がした。
nameちゃんの目からポロポロと大粒の涙が溢れてる。全く、お酒の力ってすごいなぁ。お酒の力だけじゃないんだろうけどね。
「何も泣かなくてもいいじゃないか」
「だって…ホントに嬉しいんだもん…」
「はいはい、泣かないで。せっかくの可愛い顔が台無しだよ?」
「ん…ダイゴ、ありがとう…」
「ふふ、どういたしまして」
もう1度柔らかな唇にキスを落とす。そして、小指のピンキーリングにもキスをするとnameちゃんは恥ずかしそうに顔を赤らめた。可愛いなぁ。そんな顔されたらもう止まらなくなっちゃいそうだ。まぁ、お互いシャワーを浴びてるから準備はOKだし、それはそれでいいかな。
イルミネーションを見に行かずにボクの家で過ごして正解だったな。今の時間はイルミネーションを見て過ごす時間よりも何倍も幸せだ。
大好きなキミを輝かせたい
(あ、メリークリスマス)
(うん、メリークリスマス。あ、やだ待って!まだダイゴのプレゼント渡してない!)
(だーめ。それにプレゼントはnameちゃんの体で十分だよ)
(やだっ…あん…)