こねた
コウタとアキト
寮への帰り道ぽつぽつ降り出した雨。
仕方ないから近くの木の下で雨宿り。
ほとんど、雨除けになっていない今の状況に早く帰りたいと心中で呟いた刹那、自分の頭上を黒い傘が覆った。
ふと、目の前を見上げればそこにはコウタの姿。
「ずぶ濡れじゃねぇか」
「う、うるさ、…」
「帰んぞ」
「え?…あ、うん」
困ったように微笑む顔で差し出された右手、さされた傘と触れた肩の暖かさに不覚にもきゅんとして仕舞った。
( 自分にはリクヤさんがいると言うのに )
2013/09/25 (14:23)
カイトとノゾミ
「恋は空腹で生き、満腹になって死ぬ」
「…」
「だからね、カイト。あまり求めすぎたらだめよ。すぐに終わっちゃうわ」
2013/09/15 (11:16)
リクヤとアキト
自分はリクヤさんを深く愛している。
リクヤさんと一緒ならどんな死にも耐えられる。
「…リクヤさん」
「…」
「あんな形でロストしてしまうなんて。あんな姿を晒すなんて」
「…」
「…すみません」
しかし、一緒でなければ、たとえ生きていても生きていることにはならない。
「谷下くん。…ありがとうございました。とさようなら。それから、…ごめんなさい」
「…リクヤ、さん。こちらこそすみません、うぅん、ごめんなさい。ごめんなさいごめんなさい。…ありがとうございましたと、…さよう、…なら」
( 私は谷下くんを深く愛しています。谷下くんと一緒ならどんな死にも耐えられる。しかし、一緒でなければ、たとえ生きていても生きていることにはなりません )
2013/09/15 (11:14)
リクヤとアキト
恋愛においては、あまり好きにならないことが、好きにならせる確実な方法。
「リクヤさんリクヤさん」
「はい」
「大好きです!」
「私もですよ、谷下くん」
だが、時としてそうでもないときもある。
2013/09/15 (11:13)
コウタとキヨカ
恋をすることは苦しむことだ。
「コウタ」
「なんだい?キヨカ姉さん」
苦しみたくないなら、恋をしてはいけない。
「…なんでも、…ない」
でもそうすると、恋をしていないことでまた苦しむことになる。
( どちらにしても、私は苦しむのだな )
2013/09/15 (11:13)
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