過去こねた | ナノ

ねた

仙蔵と伊作

「…仙蔵が羨ましい」

「珍しいな。伊作が羨ましがるなんて」

「そうでもないよ、…あんなに真っ直ぐ人と向き合って、真っ直ぐに人を助けられるの、凄いよね」


ぽつりぽつりと呟かれる言葉。
伊作もそうじゃないかと言いかけて飲み込む。
伊作は今、誰よりも伊作自身を知っていた。
慰めを必要としているのではなくただ私に伝えたかっただけなのだ。


仙蔵と伊作

「気付いていないだろうがお前が差し出す手は残酷だ」

「どういう意味?」

「わからないのか?」


(お前の優しさに頼って仕舞う心の弱さを見せ付けられているようで)


仙蔵と伊作

「お前といると」

「仙蔵」

「…お前といると争いも暗闇もないんじゃないかと、そう」

どうしても思って仕舞うんだよ。


(決して有り得ないと言うのに)


仙蔵と綾部

「…」

「…」

「…なにがしたいんだ?」

「なにって、…影踏み?」


(語尾を疑問系にするな…!)


トビオと流太郎

「手、冷たいのう」

「そうか?…普通だ!」

「いいや、…あぁ、そうじゃ。こうしていよう。…すぐに暖かくなるぞ」


(手よりも顔が熱いよ!)


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