過去こねた | ナノ

ねた

文次郎と仙蔵

「私を見付けて」

「…どこかに行くのか?」

「行かない。だが、私を探して欲しい」


俺の傍から離れるなと言って仕舞えればよかった。


(俺は時にこの世界の誰よりも非力だ)


スコールとクジャ

「僕ね、君の不完全な造形を愛してるんだ」
「君の顔に似合わない傷だって愛しているんだよ」
「傷は醜くて嫌いなんだ、特に美しいものにある傷はね」
「最初はジタンの、…お友達?だから君を見つけ出せたんだろうなって」

「…(やっと黙った)」

「これは秘密なんだけど」

「!(まだ飽き足りないのか)」

「君が僕を好きなこともとっくに知っていたんだよ」


スコールとクジャ

「クジャ」

「…なんだい?」

「手、繋ごう」

「…いらないよ」


まっすぐにのばされた手を握り返す方法を僕は知らない。


(だから勝手に掴んで)

離さないでいて。


仙蔵と綾部

別れるために出会うのだとして、


「虚しい、ですね」

「だが、喜八郎。それは過去に起きて仕舞った結果でしかない。…私たちが出会った事まで後悔しないでくれ」


今を否定しないで、


(私たちに明るい未来はないけれど)


トビオと流太郎

「春は流太郎の季節だな」

「そうか?…まぁ、我は春、好きじゃがな」

「…あぁ、好きだ」


(春じゃなくてお前がな!)


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