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 sky of soda pop

名前を呼ばれたような気がして、目が覚めた。
「ん……」
目を擦りながら体を起こす。ぎし、とベッドが軋んだ。
「……は……?」
眩しさにうっすらと開けた目にうつるのは、見慣れない部屋。……ここはどこだ?
「……」

そうだ、オレは昨日、火影様に呼ばれてミナト先生の家に行った。
先生とクシナさんが九尾の暴走によって命を落とした日から…二人が幸せに暮らしていたあの家は、そのままに残されていた。
あれから何ヵ月もたち、遺品の形見分けをする日が来たのだ。

改めて部屋をみたが、当然ここはミナト先生の家ではなかった。
先生の家に泊まるはずはないが……じゃあここは何処だ?

何となく現実味が無いように思えるのは、部屋全体を満たす静かで穏やかな空気のせいだ。
夢でも見ているみたいだった。
もう一度目を擦ろうとしたら、急にオレの隣でもぞもぞと何かが動いた。

「……!?」

何故起きてすぐに気付かなかったのだろう。
気配を感じ取れない相手という時点で、ただ者では無い。

そこに眠っていたのは、女だった。

閉じた瞼の上、長いまつげが呼吸にあわせて揺れている。
小さな唇の形に見覚えがあるような気がして、一瞬、思考が停止した。

「……んん……」

小さく声を漏らして、彼女が目をさます。
深い色の瞳と目が合った。
瞬きを何度かしてから、彼女はふわりと微笑んだ。

「……おはよ、カカシ」

眠そうな声があどけなく、オレの名前を呼んだ。
柔らかくて澄んだ声。知っている声だ。

驚きで言葉を無くしたオレを、彼女は不思議そうに見ている。
布団から顔を出したその人は大人の女性だった。

オレはこの人を知らない。

知らないはずだが、よく知っている人に、あまりにも似ている。

「……」

名前を呼ぼうとして、確信が持てずに、かすれた息が漏れただけだった。

「どーしたの?」と、聞く声は、やはりよく知っている声だった。
それでいて、オレの知る15才の彼女よりは大分大人びている。
一体全体、なぜこんなことになっているんだろう。
体を起こした彼女は薄着で、白い肩がすべすべしていそうで、慌てて眼をそらした。
疑問符が脳内をかけめぐり、口を開く余裕さえ無い。

「カカシ?」

名前を呼ばれるだけで、どくりと心臓が跳ねる。もう一度、彼女を見た。


「……  ?」

恐る恐る呼んだ名前に、目の前の人は、

「ん、なに?」

と、至極自然に、優しく微笑んだのだった。




〜〜〜〜〜


ラムネの二人で逆バージョン。



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