02
「………………こ、れは…………」

本拠地への侵入に成功。
そしていま、カルナと対面、している。

「やはり貴様か、アルジュナ。あまり見て欲しくはなかったのだが、くっ、お"ぉ"っ!」

「貴様、その身体はどうなって、」

「くっ、ひっ、見ての通り、苗床にされている。」

カルナの腹は異常に膨れており、元の細身と相成って歪だ。尻の穴には人間の腕より太い触手。それは動いていて、カルナの胎内を縦横無尽に蹂躙している。

「カルナ……」

男性器はズッポリと飲み込まれ見えない。吸引されつづけている。
乳頭は触手に貫通されもはや人間のものには見えない。なにか別の生物のようで、異常に突起して、膨らんで、自ら触手に吸い付いているようだ。

「こんな、こんなことが許されてっ、うぐ、おえぇぇぇぇ……」

アルジュナは耐えきれず嘔吐した。醜悪な真実、目の前のモノはもはやヒトではないなにか。ヒトではないなにかに変えられてしまっていたのだ。

「こんなものを見せられ吐き気を催すことに無理はないが、人前で嘔吐するとは貴様らしくないな。」

「ゴぼッ、はぁ、はぁ、カルナ貴様、これでいいのか!?こんな、こんなモノッ……!」

弓を引く。カルナの首を目掛けて矢を放つ。すると触手に遮られた。その動き、耐久力、生物としてありえない。

『アルジュナ、宝具を解放しろ!』

「マスター、了解です!」

力がみなぎる。マスターが令呪を使用したのだ。

アルジュナが構えようとカルナはそこから動かない。戦意すら感じない。

無性に、腹が立った。

「此処に我が宿業を解き放とう、神と人の子として罰を下す。見るがいい。これが崩壊だ!『破壊神の手翳』パーシュパタ!」

青い光が弾ける。
敵対者を飲み込んだ。

解脱、即ち即死。

光輝は神性を持つ全ての生命を圧し潰す。
それは無論、カルナも例外ではない。

例外では無いはずだ。

「カルナ、なぜ私の宝具を正面から受け生きている……!」

カルナを取り囲み蠢いていた異形はみな消滅した。
けれどカルナと、カルナの身体に取り付いた個体にのみ一切のダメージがなく、何事も無かったかのようにそこにいる。最高の一撃が弾かれアルジュナは焦る気持ちを抑えられない。

「不思議なことではない。彼はオレ以上にオレの肉体を熟知している。こういう使い方もできるのだろう。」

「肉体……貴様、鎧を食わせたのか。」

「ああ。」

カルナの鎧を呑み込み、カルナ自身を呑み込み、成長した肉塊はその触手でカルナを愛撫し見せつけるばかりで、殺意どころか攻撃する気配すらない。
アルジュナは完全に舐められている。けれど正面から宝具を受け止めたその異形に対抗する術などない。見ていることしかできない。

「あっ、あガッ!!!えぐっ、そこ、抉るな!」

カルナの腸を余すことなく犯し尽くした極太触手が入口を抉る。どこまで広がるか確認しているようだ。
カルナのアナルは明らかに人体の域を超えて拡がっていた。カルナははふはふと苦しそうに、しかし気持ちよさそうに呼吸している。その呼吸はこの非人道的な行為でカルナが、明確に悦を感じているのだと伝えていた。

アルジュナはその行為から目が離せなくなっていた。
アルジュナを通してそれをみているRも、そのおぞましくも耽美な神性に惹き付けられてやまない。

「う、くぅぁ!がはっ!ぁああ"あ"!アルジュナがみているだろう……!抜くな、今抜いたら、う、うまれる……♡」

初めて尻穴から触手が抜かれた。触手と入口の間に粘着質な大量の白い液体で橋ができる。カルナの尻穴はフタを失い、とっくに許容量を超えていた排泄穴がびゅるるるっと内容物を吹き出す。先程の汚らしい白濁液と、夥しいほどの……

「う、んぐ、ごぉ"ッ、」

アルジュナは再び嘔吐しそうになるのを抑える。
見ているだけでも発狂しそうなのに、直接自らの身体にされて、カルナが正気でいるのが不思議でならない。

カルナの胎内から大量の異形が這い出てきた。
脱肛し、純白の皮膚が隠した、美しすぎる秘めたるピンクの粘膜をかいくぐり、ぶりぶりと新しい命がうまれる。産まれたばかりの異形の子たちが白濁の上を跳ねる。

忌まわしい異形の子が……カルナの子が、アルジュナに近づいた。
アルジュナは吐き気を抑え異形を踏み潰す。
産まれたばかりの、外気を知ったばかりの生命を踏み潰したのだ。
異形の青黒い体液が飛び散った。床と靴底にプレスされた肉はもう動かない。

「残忍なものだ。親の前で我が子を踏み潰すとは。」

「なんとでも言え!!貴様はここでッ!!!」

『アルジュナ、無理だ!撤退しろ!』

弓を構えようとしたがマスターに停止される。
撤退命令だ。マスターの判断が正しい。咄嗟に身を引こうと足を……足が……

「っく、動かな、っ、ぁ!?や、やめ、やめろ!!」

カルナの産んだ別の、大量の異形の触手が足から全身へと絡みつく。膝を折られ地面に叩きつけられた。そのまま覆い被さるように、固定される。

呑まれる。

「いやっ!いやだぁぁぁ!!あぁぁっ!っ、はぁッ、私に触るなァッ!!!離せっ!離せ!!」

股を開かせるよう異形が蠢く。尻が持ち上げられ逆立ちに近い無様な格好にさせられる。服の下に触手が侵入する。太腿に絡みつき限界まで臀部を左右に引き伸ばす。そしてズボンに噛みつき、目当ての穴を露出させるようにその布を……

『令呪をもって命ずる!アーチャー!俺の元に戻れ!!』

マスターの声。
救いの声。

布の引きちぎれる音に掻き消された。
どんな手を使用したかは不明だが、この触手に遮られたのだろう。マスターの命はとどかない。
秘口が、陰茎が外気に晒されているのを感じた。
絶望を、感じた。

ぐぽりと陰茎に似た触手が胎内へと侵入した。

「貴様、非処女だったのか。」

カルナが言う。今はそんなことはどうでもいいだろうに、どこまでもズレた男だ。その心の一切は変わっていない。肉体がヒトでなくなっても、その精神はカルナのままだ。

けれど、きっと私は……

アルジュナのケツマンコは呆気なく新たな雄を受け入れた。その目はぼろぼろと涙を流しているが、接合部は美味しそうに触手を咥えていた。
長い触手はRの陰茎では届かなかったところまで拡げる。排泄の穴が子を産むための膣に作り変えられ、きっと、このままヒトではなくなるのだ。

「んぐ、お"っ、ぉぁあア"!来るな!ごっ、ほぉ、おっ、おおおお"お"っ!」

触手が腸をまさぐる。体内が内側から抉られて、脳がぐらぐらと揺らぐ。

けれどある一点に到達した時、突如その動きが止まった。

じゅる、じゅるる、じゅるっと腸壁が吸われる。
そこにあるなにかを啜っている。
そしてそれは、ひとつしかなかった。

「!?、吸うな!!マスターの、マスターの精液ッ!!やめっ、やだっ、私のなのに……!」

いくら藻掻こうと脚は動かない。
静止など聞かれるはずも無く、アルジュナのナカの白濁を吸い尽くすと、触手はまた侵攻を始めた。

手足がだらりと力なく落ちる。アルジュナは抵抗の意思を見せなくなった。
アルジュナの脳が最後に認識したのはその腹に感じる空虚、それ以降はなにもない。
蹂躙されるがまま、異形の肉のゆりかごとして作り変えられる。カルナは表情を変えぬままどこか悲しい目をすると、その瞼をそっと閉ざした。

このまま見つめているのは耐え難かったのだ。

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