01
日が照っている。
窓からの光は、全てを晒すには眩しすぎた。
それにも関わらず、寝台の上で2人は交錯する。
今この時間を、最高のものにしたかったのだ。

「く、ぅ、R、たくさん出して下さいね。」

「っ、はぁっ、はぁっ、アルジュナ……!」

ぱちゅん!ぱちゅん!と水音が響く。
優しい律動、余裕のない顔。その人が初めてなのが伝わってくる。その人が初めて抱くのが私なのだ。
そして、私を初めて抱くのはその人なのだ。

初めての肛門性交だが痛みはない。かといって絶頂できそうにもない。けれどその行為はとても幸福だった。

「だすよ…!」

「ええ存分に。このアルジュナに中出しなさい。」

ドピュッ!ドピュピュッ!!と熱い液体が注がれた。Rが息を切らして静止している。それがおかしくて、微笑みながらとんとんと自らの出された場所……下腹部を叩く。中に入ったままの肉棒が質量を増した。煽ればすぐに反応する。可愛らしくて仕方が無い。

「時間の許す限り、何度でもお付き合いしますよ。」

下品に股を開き接合部を見せつける。
お付き合いしますなどと、本当は自ら望んでいるのに。
そんなことRにも、とっくにバレているのに。

「そっか、じゃあおなかいっぱいにしてあげるね。」

律動が再開される。
打ち付けられるたび内壁が拡がる。
未開発の乳首が弄られて起立する。

「乳首、良くない?」

「いえ、確かにあまり快楽は拾えませんが、貴方に愛でられるのはとても……興奮、します。」

ビクリとRの剛直が反応した。口角が上がりそうになる。愛しいその人を手に入れているという事実が、離したくないという欲望が、未調教アナルの締りをより強くする。

けれどその時間は永遠ではなくて、終わりの時は刻一刻と迫っていた。

ランサーがバーサーカーを倒したらしい。
ランサーの真名はカルナ。本人はそう名乗ったらしいし、その容姿、宝具、強さ……どの特徴もアルジュナの知るカルナと一致していた。本物のカルナで間違いないのだろう。

アルジュナはセイバー陣営を討ち果たし名乗りを上げた。
それはカルナにも伝わっているはずだ。
アルジュナはついにカルナと戦えるのだと喜んでいた。

しかしランサー陣営がキャスター陣営とライダー陣営、そしてライダー陣営と手を結んだランサー陣営を脅威ととり、聖杯によって召喚されたルーラーすら崩したと連絡がはいった。
そこにカルナの姿はなく、かわりに現れたのは大量の異形、太陽の神性を持つ謎の生命体。
異常に活性化したそれは、アルジュナ以外で唯一カルナとまともに打ち合えたであろうライダーすら溶かし尽くしたというのだ。

偵察に行ったアサシンは、ランサー陣営の本拠地の特定に成功さえしたが致命傷を負い、アーチャー陣営に情報を渡すと消滅した。

残ったのはアーチャーたるアルジュナのみ。
ランサー陣営の手の内はほぼ見えないと言っていい。

カルナすらどこにいるのかわからない。
状況ははっきり言って絶望的。
けれどもう、行くしかないのだ。

日が傾いた。夜が近い。決戦が近づいている。
名残惜しいが、Rの陰茎が引き抜かれた。
こぽっ♡と音をたてて尻穴が泡を吹き慌てて手で塞ぐ。零すわけにはいかない。せっかく頂いた魔力だ。零したくない。Rの子種だ。

「もうすぐ時間だ。」

「そうですね。」

「アルジュナ、」

「はい。」

「愛してる。」

「……はい。私も、貴方を愛している。だから、帰ってきますね。」

合わせるだけのキスをして、決戦の場所へ。
腹の奥が暖かい。Rの精液を少しだけ、取り込まずにとっておいた。最後まで、あの人の伴侶でいたいから。

夜風が冷たく全身を貫こうと、全く寒くはない。
何より暖かいものを持っているから。

それはきっと、太陽よりずっと強いものだから。

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