午前2時、幸せ家族/玲流
夜中。
不意にトイレに行きたくなって目が覚める。
一応、暖房も加湿器も稼動してるし、部屋の中が寒いって訳でもないんだけど。
人肌で温まった布団から出るのがめんどくさいなって思う。
薄暗い中、目が慣れてくるともう1つの熱の根源。
隣で寝てるれいたが目に入る。
コロンも一緒に寝てたんだけど、コロンは頭の上で寝るのが好きらしく、れいたの頭上で丸まって寝てた。
寒くはねーのか。
布団の中でグダグダしてたけど、トイレに行きたくて目が覚めた訳で。
我慢出来ねーし、仕方無い。
起き上がり、ベッドから降りるとコロンが気配に反応して起きる。
れいたの枕元から、俺の方に尻尾を振りながら移動して来て。
俺がいた場所で伸びをする。
そんな姿も可愛いな、と思いながら起こして御免、って感じに少し撫でてトイレに行く。
欠伸をしながらトイレを済ませてまた寝室に戻ると。
コロンがまた寝場所を見つけて寝てた。
多分、れいたの頭があったんだろうなって場所で。
そう言えばコロン、人の顔の上でも寝るの好きだったよな、と思い笑う。
またベッドに入って、仰向けで寝てるれいたの顔にベッタリとのし掛かる様に寝てるコロン。
俺も時々されるけど、最初はいいけど段々重く苦しくなってくんだよなーとか思って。
肘をついて、そのコロンとれいたの様子を眺める。
ダーリンと子供の、微笑ましい姿デショ。
写メ撮りたいけど、暗いしなー。
そんな事を思いながら見つめてると。
やっぱり苦しくなって来たらしいれいたが唸り声を上げて身じろいだ。
れいたの手が布団の中から出て来て、コロンの身体を確かめる様に撫でる。
コロンはそれで起きて小さく尻尾を振ってて。
何だか面白いから、そんな様子をじっと見てる訳だけど。
れいたがコロンを抱っこして、そのまま布団の中へと抱き込む。
目は開いてないから、半分寝惚けてんだろうなーって思う。
コロンを胸元におさめて、また寝るんだろうなって思ってたら、れいたの手がこっちに伸びて来た。
「……ルキ…」
「……………」
滑舌の悪い、寝惚けた声で名前を呼ばれて無意識に腕が俺の姿を探してたから。
仕方ねーから、抱かれてやるよ、お前の腕に。
れいたの方を向いたまま、枕に頭を乗せてコロンを挟んで伸ばされたれいたの腕に擦り寄る。
同時に、抱き込まれる自分の身体。
コロンがいるから、それ程は密着しねーけど。
回された腕が、優しく俺の背中をポンポンと叩く。
それでも目は開いてないから、無意識か。
ちょっと笑う。
満足そうに息を吐くれいたは、また眠りに沈んでって。
俺達の間で、寝る場所を確保して丸まって寝るコロン。
川の字で寝てる状態。
これを幸せと言わず、何て言うんだろうよ。
「…れいた」
鋭さも優しさも隠された幼い寝顔に愛しさが込み上げて来て。
やっぱコイツ好きだわ、と思う。
俺がどんな我儘言っても、笑って許容する大きな腕。
頭おかしくなる位、愛してる。
可愛いモンが見えたから、たまには夜中起きんのもいいかもな。
熱の根源が2つ。
目を閉じてその熱に身を委ねた。
終
20131216
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