モンハン/玲流




ツアーの移動中。
バスん中で特にする事もねーから、相変わらずモンハンやってんだけど。

一番後ろのシートで、ルキと2人で陣取って移動中ずっとモンハンやってたら。
ルキが隣で何かと写メを撮る音が聞こえて来たりした。

何かやってんなーって思いながら、画面に集中。

メンバーほとんどがやってるから、車内は無言で黙々とやってる訳で。
写メを撮ったりiPhoneイジったり、靴を脱いで長いシートの4分の3を占領して寝てたルキが、身体を起こしてこっちにやって来た。


「れいちゃん暇」
「んーちょっと待って」
「そんな面白いの、それ」
「やべーって。またルキもやってみる?」
「難しかったから無理」


ルキは俺の腕に頭をくっつけて画面を覗き込んで来る。
マスクして眼鏡かけてるルキは、自宅と然程変わらない感じで。

いや、上着着ろよお前。
寒い中、風邪引くかもしんねーだろ。

一度セーブして、ルキの赤い上着を手に取ってルキの肩にかける。

ルキは膝を抱えて俺にもたれるのが、すげぇ可愛い。

また画面に視線を戻して続きをやり始める。


「ルキも出来るようになったら一緒に狩り行けるじゃん」
「狩りって何」
「肉も焼けるし」
「肉?」
「あ、ちょっと待ってルキ」
「…………」


いつもやってる通り、ルキと話しながら指を動かしてゲームをやってると、目的のモンスター見つけたからちょっと座り直して真剣にやり始める。


ルキはそのまま、じーっと画面を見てた。
から、ちょっと負けらんねーなって気合いが入る。


ま、中盤になるとルキは飽き始めるんだけどな。


「………眠い」
「ん?寝る?」
「うん」
「ほら」
「ん」


モンハンやってる手を止めて、自分の太股を叩くと、ルキは大人しく眼鏡を外して、俺の方に顔を向ける形で寝転がった。

ルキの眼鏡を受け取って、自分の胸元にかける。


ルキの肩に、もう一度ちゃんと上着をかけて。
俺の太股に頭を乗せて丸まるルキは可愛いなーとか思いながら、ちょっと口元が緩む。

ちっせーのが更にちっさい。
言ったら怒るけど。


ルキが俺の膝枕で寝つつ、またモンハン開始。
車内はまた静かになった。


「……………」
「ッ、ちょ、ルキ何してんの擽ってぇよ!」


寝ると思ってたルキが、俺の脇腹に手を突っ込んで来て撫でられた。
不覚にもビクッと身体が反応して、擽ったさに身を捩る。


それに俺の前の席で同じくモンハンしてた葵さんが、キリがいいのか反応して首をゴキゴキ鳴らしつつ後ろを振り向いた。


「うわ、何やねんお前ら時と場所選んでイチャつきぃや」
「別にイチャついてねぇだろルキが眠いっつーから!、ってお前も止めろよコラ」
「えー」


葵さんが呆れた声を出して、シートに顎を乗せて俺らを見やる。
それでもルキの手が俺を擽るから、腕を掴んで剥がす。

俺の方が力強いから、簡単。

ルキは笑いながら俺を見上げた。


「れいちゃん構ってくんねーんだもん」
「だもん、て…だからホテルではゲームしてねーだろ」
「うん、俺と遊ぶのに忙しいもんね」
「嫌やわーコイツ等の隣の部屋には絶対なりたないわ」
「何で最初から2人部屋にしてくんないんだろうね」
「お前等が憚らんからちゃう」
「だってよ、ルキさん」
「えー?」


いやホント、ルキは気分屋だから俺がゲームしてても何も言わない時もあるんだけど。
今日は構って欲しい時らしい。

そんな笑顔で言われたら、こりゃ構うしかねーだろ。


ま、いっか。
今は皆で狩りしてねーし、モンスター倒せたし、可愛いルキの相手でも。


「じゃ、セーブすっからちょっと待ってて」
「えー…眠いから寝るし動かないでね」
「…………」
「はは、れいた振られとるやーん」
「……ルキ寝んの?」
「うん、おやすみ」
「…おやすみ」


やっぱ気分屋ルキさんの気分は変わりやすいようです。


「モンハンに嫉妬したとか、かわえぇやん。で、れいたの気ぃが自分に向いたから満足した、と」
「………そうなの?ルキ」
「っせぇな、死ね」


また丸まって俺の腹に顔を向けて寝る体勢になったルキは、頭まで上着を被って暴言を吐く。


ニヤニヤする葵さんが、じゃ一緒に狩り行くでー?って誘いが来たけど、何となく続きをやる気が起きなくて断って。


DSの電源を切って膝枕で寝るルキの傷んだ髪を撫でた。


可愛いな、この野郎。




20131207




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