ツアーの中日での事/玲流



ツアー中日。
名古屋に前乗りして、今日と明日にオフ貰って、ここぞとばかりに下調べした店へと買い物。

地方に行くと、色んな店行けるからいいよな。


マネ引き連れて、下調べした店の半分ぐらい回って。
荷物もいっぱいになったし、名古屋で皆でご当地の食い物食べに行くっつってたし、一旦ホテルに帰る。


マネにも運んで貰った荷物を前にiPhoneを取り出してれいたに部屋に来る様にラインする。

そしたら直ぐに部屋のドアからノックが聞こえて。
ドアを開けるとれいたが立ってた。


「れいちゃん何してたの」
「本読んでた」
「好きだねー」
「ルキはこれ今日買ったの?」
「そー。まだ行きたい店半分ぐらいしか行ってねーんだけど。明日はれいちゃんも行かない?」
「やー、俺に何かあったら困るじゃん?」
「何かあっても筋肉あるから大丈夫だろ。俺に何かあってもいいのかよ」
「それはかなり困るなー」
「じゃ、明日一緒に買い物ね」
「はいはい」
「んふ。じゃ、沢山買い物出来るな」
「まだ買うのかよ」


れいたと話しながら、今日買った服を袋から出してベッドに並べて行く。
れいたは椅子に座って目を細めて笑いながら俺のそんな様子を見てた。

俺のストレス発散、ツアー中の買い物。
買った服は、部屋で引き込もってるれいたに説明しながら見せるのも、いつもの事。


「これとか超ロックじゃね?」
「あールキそう言うの好きな」
「うん。寒いし、この帽子のデザインもイイ感じでさー」
「おぅ、ルキに似合ってる」
「だろ?それとさーこっちの服も良くてさー」


れいたの前で、今買ったばっかの服のファッションショー。

れいたはいつも俺が満足するまで、それに付き合ってくれて賛辞の言葉をくれる。


そう言う所が好き。


ホントはれいたと買い物行ったりしたいんだけど、マジで部屋から出ないからな、コイツ。


一通り、買った物をれいたに見せて。
満足するとれいたに手招きされて、近寄ると手を取られてれいたの膝の上に座る形になる。

そのままれいたにキスされて、俺を甘やかしたくて仕方無いって表情で見ながら俺の手に指を絡めた。


「ルキは可愛いから何でも似合うよ」
「可愛いって何だよ」
「言葉通りの意味じゃん」
「お前、俺の事可愛い可愛い言い過ぎなんだよ」
「やー、やっぱね、滲み出る愛しさは隠し様がないね」
「バッカじゃねーの」


笑ってれいたの首に腕を回して、薄い唇にキスをする。
何度か啄むキスをすると、れいたの舌が入り込んで来てそのまま深いキスになる。

物欲が満たされて、恋人に絶賛されて。
その恋人がピッタリくっついていて、明日もまだライブねーとか、性欲を満たすには充分な条件じゃねーの。


「ッは、れいちゃん、シよ?」
「声枯れても知らねーよ?」
「我慢するから、無理矢理出させてみろよ」
「は、上等」


ニヤリと笑ったれいたの瞳が、慈愛から欲望へと変わってゾクゾクした物が背筋を這い上がる。


ベッドは服に占領されてるから、もう此処でいいかって思いながら、角度を変えて何度もキスをしてれいたの髪に指を絡めて撫でる。


その時、少し離れたテーブルに置いてある自分のiPhoneの着信音が鳴って、一瞬お互いの動きが止まる。


「チッ。何…」
「あぁ…飯食いに行くんじゃ無かったっけ?」
「あー…」
「じゃ、また後でな」
「マジかよ…最悪」


そう言えば飯食いに行くって言ってたな。
タイミング悪ィ。


もう行かなくていいんじゃねーのって思うけど、こればっかりはなー。
スタッフ全員で店予約してるっつーし、行かない訳にかいかねーし。


頭を掻きながら溜め息を吐いて、れいたの上から退いて鳴り終わったiPhoneを見ると、マネからの着信。

かけ直そうと思った矢先、れいたの携帯の着信音が鳴る。


「あ、俺ん所にも来た」
「じゃ、かけ直さなくていっか」


れいたが電話に出て、一言二言話して電話を切る。
もう皆ロビーに揃ってるらしい。
そう言えば、部屋に戻る時に夕飯は何時だからって言われたっけ。


また上着を着て、サングラスを掛ける。


「俺も上着取って来るわ」
「おぅ」


れいたと俺の部屋を一緒に出る直前、れいたとドアの間に挟まれて、触れるだけのキスをして。
れいたの指が、髪から首筋へと撫でられていって心地良い。


「腹満たされたからって萎えんじゃねーぞ」
「れいちゃんこそ」


お互い笑って、仕事仲間の中で、2人で夜の事を意識しながら食事っつーのも、前戯みたいで興奮しますね、れいたさん。




20131128




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